陸上のパリオリンピック(五輪)代表選考会「マラソングランドチャンピオンシップ(MGC)」で五輪切符をつかんだ男子1位の小山直城(27=ホンダ)が初舞台へ意気込みを口にした。大会から一夜明けた16日、都内で取材対応。昨夜はテレビにも出演し「実感が湧いてきています」と笑みをたたえた。

小山は埼玉・松山高から東農大を経て、19年にホンダへ入社。同7月からマラソンの元日本記録保持者でもある設楽悠太(現西鉄)の練習パートナーを務め、同9月のMGCは飯田橋や両国などを移動しながらサポート役に徹していた。その後は22年3月にマラソンデビュー。5度目のマラソンとなった昨日は、39キロ手前からスパートを仕掛け、2時間8分57秒で優勝した。祝福メッセージは100件以上も届き「返信するのが大変」とうれしい悲鳴を上げた。

大会当日は気温15度を下回る天候となったが、調整段階では暑熱対策に力を入れていた。ユニホームのウエアをメッシュ素材にし、日ごろの練習時間はスタート時刻の午前8時に変更。来年8月10日開催のパリでの大一番へ「暑さ対策にもつながる」と見据える。

今後は年内にパリ五輪のコースを試走し、来年1月の全日本実業団対抗駅伝(ニューイヤー駅伝)にも出場予定。ダークホースの存在から、オリンピアンとして注目を浴びる立場となる。「今回、大迫さんが相当マークされていて走りにくそうだなと思った。その立場が自分に来ると思うと気が重い」と苦笑いも、「頑張って走りたいです」と燃えた。