長野が2時間17分0秒(速報値)の大会新記録で新型コロナウイルス禍により21年から2年連続中止を挟み、3大会連続10度目の優勝を飾った。史上最多優勝記録を更新。前評判通り、中学から大学生までの出走者7人が力を見せつけた。1区で4位スタートを切ると、2区から3区を4位、3区から4区を6位でタスキリレー。4区の永原颯磨(佐久長聖3年)が区間賞の快走で首位へ立った。5区以降も先頭をキープし、アンカー区間の7区に控えていた鈴木芽吹へ(駒大4年)。今季の大学3大駅伝2勝に導き、今年の箱根駅伝で2区区間2位と好走したチームの大黒柱は20年ぶりの区間新記録となる36分52秒をマークし、さらに差を広げた。4年ぶりに沿道での声援が解禁された中、今年も長野がトップで安芸路のフィニッシュテープを駆け抜けた。

全国男子駅伝 優勝した長野チーム。前列左から1区の浜口大和、2区の中沢侑己、3区の伊藤大志、4区の永原颯磨、5区の山口竣平、6区の滝沢秀斗、7区の鈴木芽吹。2列目左は高見沢勝監督(撮影・加藤孝規)
全国男子駅伝 優勝した長野チーム。前列左から1区の浜口大和、2区の中沢侑己、3区の伊藤大志、4区の永原颯磨、5区の山口竣平、6区の滝沢秀斗、7区の鈴木芽吹。2列目左は高見沢勝監督(撮影・加藤孝規)

【動くグラフ】都道府県対抗男子駅伝の順位変動

都道府県対抗男子駅伝の個人成績一覧


■■ 最終順位 ■■

(1)長 野 2時間17分00秒(新)

(2)埼 玉 +2分11秒

(3)千 葉 +2分32秒

(4)京 都 +2分56秒

(5)兵 庫 +2分59秒

(6)岡 山 +3分06秒

(7)福 岡 +3分12秒

(8)東 京 +3分19秒

 ↑入賞ライン↑

(9)茨 城 +3分44秒

(10)大 阪 +3分55秒

(11)鹿児島 +3分57秒

(12)長 崎 +4分12秒

(13)福 島 +4分18秒

(14)広 島 +4分20秒

(15)群 馬 +4分49秒

(16)滋 賀 +4分54秒

(17)宮 崎 +4分59秒

(18)熊 本 +5分18秒

(19)北海道 +5分21秒

(20)愛 知 +5分28秒

(21)栃 木 +5分30秒

(22)岐 阜 +5分36秒

(23)神奈川 +5分41秒

(24)静 岡 +5分47秒

(25)大 分 +5分52秒

(26)佐 賀 +5分56秒

(27)新 潟 +5分58秒

(28)山 口 +5分58秒

(29)福 井 +6分02秒

(30)和歌山 +6分03秒

(31)鳥 取 +6分10秒

(32)宮 城 +6分19秒

(33)山 梨 +6分44秒

(34)三 重 +7分00秒

(35)岩 手 +7分07秒

(36)富 山 +8分21秒

(37)高 知 +8分26秒

(38)山 形 +8分37秒

(39)徳 島 +8分58秒

(40)奈 良 +9分21秒

(41)愛 媛 +9分24秒

(42)青 森 +9分27秒

(43)香 川 +9分31秒

(44)秋 田 +9分35秒

(45)島 根 +9分44秒

(46)沖 縄 +10分21秒

(47)石 川 +11分35秒



区間賞


  県名・選手タイム
1区長 崎・川原琉人19分31秒※
2区和歌山・田中悠大08分20秒 
3区大 阪・葛西 潤23分22秒※
4区長 野・永原颯磨14分03秒 
5区長 野・山口竣平24分47秒 
6区北海道・吉田 星08分40秒 
7区長 野・鈴木芽吹36分52秒※

※は区間新


◆レース経過  ※タイムは速報値

◆1区=7・0キロ(平和記念公園前~広電井口駅東)

全国高校駅伝で1区区間賞の兵庫・折田壮太(須磨学園高)がエントリー

◆スタート 天候は晴れ、気温14.6度、湿度64%、北の風5メートル。午後0時30分に号砲、47チームが一斉にスタートした。

全国男子駅伝 スタートする1区の選手ら。左から3人目は石川県の奥巳咲(撮影・加藤孝規)
全国男子駅伝 スタートする1区の選手ら。左から3人目は石川県の奥巳咲(撮影・加藤孝規)
全国男子駅伝 スタートする1区の選手ら(撮影・加藤孝規)
全国男子駅伝 スタートする1区の選手ら(撮影・加藤孝規)
全国男子駅伝 スタートする1区の選手ら。左から3人目は石川県の奥巳咲(撮影・加藤孝規)
全国男子駅伝 スタートする1区の選手ら。左から3人目は石川県の奥巳咲(撮影・加藤孝規)

◆1キロ 2分44秒で通過。長崎、茨城が集団をけん引

◆中間点 9分49秒で通過。先頭集団は15人ほど

◆4.3キロ 全国高校駅伝1区区間賞の兵庫・折田が先頭へ

◆5.3キロ 長崎・川原がスパート

◆6キロ 残り1キロで長崎・川原がトップ。兵庫など7チームが追う

◆第1中継所 長崎・川原がトップでタスキ。区間記録を7秒更新する19分31秒で中継

(1)長 崎 19分31秒

(2)埼 玉 +6秒

(3)岐 阜 +7秒

(4)長 野 +7秒

(5)兵 庫 +7秒

(6)京 都 +12秒

(7)大 阪 +15秒

(8)神奈川 +17秒

 ↑入賞ライン↑

(9)鹿児島 +25秒

(10)岡 山 +28秒



◆2区=3・0キロ(広電井口駅東~海老園交差点)

◆1.8キロ 兵庫、埼玉、岐阜がトップ長崎をとらえる

◆2.7キロ 兵庫がスパート

◆第2中継所 兵庫がトップ。長崎、埼玉が続く

(1)兵 庫 28分16秒

(2)長 崎 +0秒

(3)埼 玉 +1秒

(4)岐 阜 +9秒

(5)京 都 +15秒

(6)長 野 +16秒

(7)神奈川 +17秒

(8)岡 山 +21秒

 ↑入賞ライン↑

(9)大 阪 +26秒

(10)鹿児島 +30秒



◆3区=8・5キロ(海老園交差点~宮島口ロータリー)

大会史上初の40代ランナー中村高洋選手が被災地石川の代表として走る

◆5.3キロ 埼玉が上りでスパート

◆6.3キロ 大阪・葛西が7人抜きで2位へ

◆7.5キロ 埼玉が依然トップ

◆第3中継所 埼玉が首位通過。2位大阪・葛西が区間新。続いて3位長崎、4位長野、5位岡山、6位千葉、7位兵庫、8位東京

(1)埼 玉 51分49秒

(2)大 阪 +15秒

(3)長 崎 +26秒

(4)長 野 +33秒

(5)岡 山 +39秒

(6)千 葉 +45秒

(7)兵 庫 +47秒

(8)東 京 +1分11秒

 ↑入賞ライン↑

(9)福 岡 +1分12秒

(10)神奈川 +1分12秒



◆4区=5・0キロ(宮島口ロータリー~JR前空駅東(廿日市市大野)折り返し~JR阿品駅南)

◆折り返し地点 埼玉がトップ通過。2位に長野・永原

◆4.3キロ 全国高校駅伝Vメンバー佐久長聖の長野・永原が埼玉をとらえトップへ

◆第4中継所 3連覇狙う長野が首位通過。2位埼玉、3位岡山、4位大阪、5位兵庫、6位千葉、7位長崎、8位東京

(1)長 野 1時間06分25秒

(2)埼 玉 +10秒

(3)岡 山 +25秒

(4)大 阪 +44秒

(5)兵 庫 +47秒

(6)千 葉 +48秒

(7)長 崎 +53秒

(8)東 京 +1分04秒

 ↑入賞ライン↑

(9)福 岡 +1分15秒

(10)福 島 +1分18秒



◆5区=8・5キロ(JR阿品駅南~広島工大高前)

◆3キロ 前回MVP、全国高校駅伝Vメンバー佐久長聖・山口の快走で長野独走

◆5.5キロ 首位長野・山口が2位埼玉と280メートル差で独走

◆6.3キロ 全国高校駅伝3位メンバーの八千代松陰・鈴木が4人抜き!千葉が2位浮上

◆第5中継所 3連覇狙う長野が首位通過。55秒差で千葉は過去最高を狙える2位通過、3位埼玉、4位岡山、5位福岡、6位兵庫、7位京都、8位大阪

(1)長 野 1時間31分12秒

(2)千 葉 +55秒

(3)埼 玉 +1分15秒

(4)岡 山 +1分26秒

(5)福 岡 +1分27秒

(6)兵 庫 +1分28秒

(7)京 都 +1分38秒

(8)大 阪 +1分43秒

 ↑入賞ライン↑

(9)東 京 +1分54秒

(10)長 崎 +2分25秒



◆6区=3・0キロ(広島工大高前~草津橋)

◆2キロ 長野独走が続く

◆第6中継所 3連覇狙う長野が首位通過でアンカーの駒大主将・鈴木芽吹へ。48秒差で千葉は過去最高を狙える2位通過、3位岡山、4位兵庫、5位埼玉、6位京都、7位大阪、8位東京

(1)長 野 1時間40分08秒

(2)千 葉 +48秒

(3)岡 山 +1分23秒

(4)兵 庫 +1分23秒

(5)埼 玉 +1分26秒

(6)京 都 +1分41秒

(7)大 阪 +1分46秒

(8)東 京 +1分49秒

 ↑入賞ライン↑

(9)福 岡 +1分54秒

(10)茨 城 +2分41秒



◆7区=13・0キロ(草津橋~平和大通り、城南通り経由~平和記念公園前)

◆5キロ 長野3連覇へ独走!大学3大駅伝2冠の駒大主将・鈴木芽吹がアンカー。

◆5.2キロ 2位千葉は首位長野と1分29秒差に広がる。3位埼玉はトップと1分41秒差

◆8.5キロ 埼玉が千葉を追い抜き2位浮上

◆9キロ 2位グループ埼玉、千葉は1位長野と1分59秒差に広がる

◆10.8キロ 埼玉がスパートで単独2位に。千葉は過去最高成績へ苦しい状況に

◆フィニッシュ 長野が大会新記録で3連覇。アンカーの駒大主将・鈴木芽吹が20年ぶりに区間新!2位は埼玉。千葉は過去最高成績を更新できず3位となった

全国男子駅伝 優勝した長野7区アンカーの鈴木芽吹(撮影・加藤孝規)
全国男子駅伝 優勝した長野7区アンカーの鈴木芽吹(撮影・加藤孝規)
全国男子駅伝 2位でゴールした埼玉7区7区アンカーの荻久保寛也(撮影・加藤孝規)
全国男子駅伝 2位でゴールした埼玉7区7区アンカーの荻久保寛也(撮影・加藤孝規)
全国男子駅伝 3位でゴールした千葉7区アンカーの伊豫田達弥(撮影・加藤孝規)
全国男子駅伝 3位でゴールした千葉7区アンカーの伊豫田達弥(撮影・加藤孝規)
全国男子駅伝 47位でゴールの石川アンカー福村拳太(撮影・加藤孝規)
全国男子駅伝 47位でゴールの石川アンカー福村拳太(撮影・加藤孝規)

■見どころ 節目となる10度目の優勝が懸かる長野は、全国高校駅伝を大会新記録で制した佐久長聖高の選手が強力。前回大会の4区(5キロ)で区間記録を塗り替えた山口竣平ら5000メートル13分台のランナーが貯金をつくりそう。今年は実業団選手不在で、一般区間を大学生が走る。アンカーと見込まれる鈴木芽吹(駒大)に上位でたすきを渡したい。

大阪は葛西潤(旭化成)小林歩(NTT西日本)と1万メートルで27分台中盤のタイムを持つ2人が3区(8・5キロ)、7区(13キロ)の一般区間を担う見込みで、初優勝に挑む。千葉は一般、高校生、中学生とも隙のない布陣で、箱根駅伝1区区間賞の篠原倖太朗(駒大)に期待がかかる。

全国高校駅伝で1区区間賞に輝いた兵庫の折田壮太(須磨学園高)は今大会も1区起用が予想される。序盤で飛び出して流れをつくりたい。群馬は昨年12月に1万メートルの日本記録を更新した塩尻和也(富士通)が引っ張る。箱根駅伝で区間賞を獲得した新潟の山本唯翔(城西大)、岡山の黒田朝日、広島の倉本玄太(ともに青学大)の走りも楽しみ。



全国都道府県対抗女子駅伝(皇后杯)