東京五輪女子1500メートル8位で兵庫の田中希実(24=ニューバランス)が、最高の走りでパリ五輪イヤーをスタートした。今年初戦に臨み、2区(4キロ)で衝撃の19人抜きで15年以来9年ぶりに区間賞。20位でたすきを受けて1位に浮上する離れ業だった。昨年17人抜きを披露した岡山のドルーリー朱瑛里(しぇり、津山高1年)も同じ2区で8人抜きの区間5位と好走。憧れの田中と走って五輪への憧れを口にした。宮城が2時間16分30秒で29年ぶり2度目の優勝を果たした。

   ◇   ◇   ◇   

石川の五島莉乃(26=資生堂)が、被災地への思いも胸に区間賞を獲得した。1区で最初の1キロを3分1秒と飛ばして入って、独走。18分49秒のトップで2区にたすきを渡して「私たちの走りで、少しでも石川県の皆さんに届けられるものがあったらと思って走りました」と涙を浮かべた。

沿道からは「石川、頑張れ!」という声援が響いた。選手の中にも、能登出身者はいる。苦しい思いも抱えながらのレースとなったが「最後までたすきをつなげて、本当に良かった」としみじみ振り返った。

深浦隆史監督も「メンバーが『石川のために走ろう』という例年にない団結感があった」。総合43位だったが「後半もたすき中継でクローズアップしていただいて。その場面を見て、被災している方々が力をもらえたのなら、我々としても良かったのかな」と、言葉を選びながら口にした。

【都道府県対抗女子駅伝】個人成績一覧