昨夏の全国高校総体(インターハイ)王者の久保凛(16=東大阪大敬愛高2年)が2分5秒35(速報値)で憧れの存在、田中希実(24=ニューバランス)に競り勝ち、優勝を飾った。

23年世界選手権女子5000メートル8位入賞の田中とともに2組に出場。最後の直線で、先頭を走る田中を逆転し、この組トップでフィニッシュした。

久保は「こういう舞台だからこそチャレンジ精神を持とう」と、スタート直後から先頭でレースをけん引。500メートル付近で田中に抜かれたが、終盤で抜き返した。「ラストのスピードを上げる練習が生かせた」と胸を張った。

サッカー日本代表のMF久保建英のいとこで、田中に憧れを抱く高校2年生。今季は2月の「ADIDAS TOKYO CITY RUN」招待女子5キロ(ロード)を16分22秒で優勝すると、3月29日には奈良市の記録会で800メートルで2分5秒13の高1歴代最高記録をマークしていた。

この日は田中と初対戦となり「集中力がすごい」と試合前からオーラを感じ取った。「今回は憧れを捨てようと思ったんですけど…できなかったです」と苦笑いで振り返り、「私も田中選手のようにすごい選手になれるように努力したい」と思い描いた。

一方の田中は2分6秒08(速報値)で同組2位、全体でも2位となった。今季は2月4日に米国でシーズンインし、1500メートルと3000メートルの室内2種目で日本新記録を樹立。3月30日には世界クロスカントリー選手権のシニア男女混合4×2キロリレーで2走を務め、同走順内トップとなる5分34秒をマークしていた。