前週に続き、元NFL、NBAチアリーダーの柳下容子さんの後編です。17年目となる人気の講演「若者に夢を伝える職場作り」について聞きました。

株式会社カシワバラ・コーポレーションで講演する柳下容子さん
株式会社カシワバラ・コーポレーションで講演する柳下容子さん

-講演について

NFLチャージャーズのチアリーダー・Charger Girlsの活動を終えた後、学校の入学式や文化祭、企業のリーダーや営業マンに向けた研修など、さまざまな場所で講演活動を行ってきました。1番人気のテーマは、「若者に夢を伝える職場作り」です。大手建築会社の安全大会で、2004年から全国で定期的に講演しています。2カ月間で20回ほど依頼が来る時もあります。

株式会社カシワバラ・コーポレーションの講演でポンポンをもって熱演する柳下容子さん
株式会社カシワバラ・コーポレーションの講演でポンポンをもって熱演する柳下容子さん

-講演の内容は

「皆さん、元気ですかー? 今日は元気になるマジックをかけます!」が冒頭の決めぜりふです。会場を盛り上げるために、NFLチアリーダー時代の映像や音楽を流しながら、ポンポンを持って、ハイタッチしながら皆さんをCheerしながら登場します。

まず、「皆さん夢はありますか? どんな時に夢ができましたか? 若者と夢を語る時間はありますか?」と問いかけます。私は、アルビレックスチアリーダーズとして活動していた時に、当時のディレクターで元NFLカウボーイズ・チアリーダーの三田智子さんと出会い、世界に羽ばたくダンサーになりたいという夢ができました。人との出会いで夢は作れます。

そして、会社もチームです。良いチームを作るために、私がこれまでプロのチアチームの一員として、また、リーダーという立場で学んできた3つの事をお伝えしています。

1つ目は、「苦しいときにこそ笑顔」。苦しい時でも、誰かが前向きになれば、周りの空気を変えられます。強い笑顔を作って、勇気を持って、頑張ってやってみよう! その表情や発言、行動が大切です。

2つ目は、「なんでも、はい! の返事」。厳しいことを言われても、素直に「はい!」と受け入れることで相手も冷静になり、雰囲気も良くなります。自分を振り返るきっかけになり、苦手を克服し、自分の成長にもつながります。さらに、どうすれば良くなるかといったアイデアも生まれます。

3つ目は、「できない事はない」。アルビレックス時代のチームリーダーとしての経験から、リーダーができないと思っていたら、メンバーもやらない、と気付きました。だからこそ、今、東京ガールズでも「できたら日本一かも! 世界一かも!」と言って、メンバーのモチベーションをワクワクしたものにつなげています。

NBAクリッパーズのダンサー時代(中央)(提供写真)
NBAクリッパーズのダンサー時代(中央)(提供写真)

-一番伝えたい事は?

笑顔のパワーです。NBAクリッパーズのダンサーとして、けがして踊れなくなり、情けなくて自分を責めて苦しかった時、母の笑顔に助けられました。目の前にいない母の笑顔が私の心の中に存在していたのです。その時、笑顔は相手の心に残せる素晴らしいパワーだと思いました。

-今後の抱負は?

チアの魅力を世の中に広げていきたいです。特に、笑顔、仲間の大切さ、応援。この3つのチアスピリッツはほかの人生でも役立ちます。今後は、チアの活動が社会で必要とされる存在になれるよう、周囲と連携をとりながら貢献していきたいです。

◆柳下容子(やぎした・ようこ)新潟県出身。NFLとNBAのチアリーダーを経験した初の日本人。帰国後は東京ガールズの代表を務める傍らキッズからシニアまで幅広い世代を指導し、チア普及活動に力を入れている。東京ガールズ公式ホームページはhttp://tokyogirls.jp/