東京(オリンピック)五輪の余韻が残る中、北京五輪開幕まで100日を切った。10月27日には北京五輪・パラリンピックの公式ウエアが発表され、年末から年明けにかけては各競技の日本代表選考も本格化する。

東京大会が1年延期され、スポーツ界は大忙しだ。日刊スポーツの記者も東京の「後始末」をしながら、北京の「準備」に追われている。

前回の18年平昌大会、日本は冬季五輪史上最多となる13個のメダルを獲得した。羽生、宇野のフィギュア男子ワンツーフィニッシュ、小平と高木姉妹のスピードスケート、ノルディック複合、スノーボード、スキージャンプ、フリースタイルスキー、カーリングも初のメダルを獲得した。連日、日本中が隣国での大会に夢中になった。

夏季大会と同一年に開催されていた1980年代まで、冬季大会は今ほど注目されていなかった。各大会でスター選手はいたが、それでも獲得するメダルは1個あるかないか。72年札幌大会は盛り上がった記憶があるが、他は夏季大会の「序章」という感じだった。

2度目の日本開催となった98年長野大会で、一気にムードは変わった。スキージャンプの団体、スピードスケート清水宏保らが過去最多の金メダル5個を獲得。それまでの「冬季競技では日本人は勝ちにくい」というイメージを吹き飛ばした。

北京大会でも、日本勢のメダルラッシュが期待される。フィギュアスケートやスピードスケート、スキージャンプなど伝統ある競技からスノーボード、フリースタイルスキーなど新しい競技まで幅広くメダルを狙えるのも、日本の強みだ。

開幕100日前の27日には、米国のデータ会社、グレースノートが各国の獲得メダル予想を発表した。日本は金メダル3個で計13個。ジャンプ女子の高梨沙羅、スノーボード男子ハーフパイプの戸塚優斗、同女子ビッグエアの鬼塚雅が金メダルという予想だ。

この予想が意外と当たる。予想メダル数は発表の時期によっても変わるが、東京五輪は大会直前の予想で金26個、計60個。実際の金27個、計58個をほぼ当てた。16年リオデジャネイロ五輪は金14個、計36個の予想で、実際は金12個、計41個だった。

前回の冬季平昌五輪開幕10日前の予想は金2個、計14個。スピードスケート女子の小平と団体追い抜きを金としたが、実際には同マススタートの高木菜那とフィギュアの羽生を加えて金4個、計13個。実際に雪と氷の冬季競技は転倒や気象条件の変化などで予想が難しい。何が起こるか分からないのが多くの冬季競技の特徴でもある。だからこそ、応援する方にも力が入るのだけれど。

東京五輪で行われたのは33競技339種目。テレビやネットで観戦するには忙しすぎた。北京五輪は史上最多とはいえ109種目で東京の3分の1以下。時差も大きくないし、楽しむにはちょうどいい規模かもしれない。あと3カ月、新型コロナの世界的な状況がどうなっているかは分からないが、東京五輪に続くメダルラッシュが期待できそうだ。【荻島弘一】(ニッカンスポーツ・コム/記者コラム「OGGIのOh! Olympic」)