フィギュアスケート男子で2018年平昌と22年北京の両オリンピック(五輪)に連続出場し、団体も含めて当時日本勢最多のメダル計3個を獲得した宇野昌磨さん(28)が電撃復帰する。22日、インスタグラムを更新。16年世界ジュニア選手権女王の本田真凜さん(24)とともにアイスダンスに挑戦すると発表した。
「この度、宇野昌磨と本田真凜はアイスダンスチームを結成し、新シーズンより競技へ挑戦することを決意いたしました。2024年10月。この決意をした日から、オリンピック出場という目標を掲げ、アイスダンスと向き合い続けてきました。日々、新たな挑戦と共に、強い覚悟を持って歩みを進めています」
プロ転向から丸2年。16年世界ジュニア選手権女王の本田真凜さん(24)と組んでアイスダンスに挑戦し、現役に戻って競技会を目指す。シングルで名をはせたトップスケーター同士で、交際関係も公表しているビッグカップルが誕生する。
宇野さんは24年5月に、本田さんは同年1月にそれぞれ現役引退を発表。以降はアイスショーなどで共演を重ねてきた。宇野さんが昨年6月に立ち上げた座長公演「Ice Brave」では、アイスダンスのプログラムに2人で挑戦するなど、新たな試みで話題を集めていた。
男性が女性を持ち上げるリフト、スピン、ステップなどの技術と表現力で得点を競う種目。2月のミラノ・コルティナ五輪で金メダルをつかみ、引退した「りくりゅう」こと三浦璃来さん、木原龍一さんのペアとは異なり、ルールで1回転半以上のジャンプが禁止されているため、演技構成力で勝負する。
宇野さんは4月の本紙インタビューで、その競技観について言及していた。「氷上の社交ダンス」と呼ばれる種目への転向について「現役時代は全く考えていなかった」と語りつつ、転機となったのは2人で出演した「ワンピース・オン・アイス」だったと明言。「やるからにはシングルスケーター2人の単なる“コラボ”で終わらせたくない。驚きを与えるには、そこが大事だと思った」と本格的に取り組み、公式戦を目指す覚悟を示唆していた。
22年9月には本田さんとの交際を公表。「難しさも、喜びも、これまでの競技生活を通して様々な感情を経験してきました。二人だからこそ、分かち合える想いを胸に、自分達が納得できる日々を積み重ねていきます」ともつづった。
24年10月に転身を決断し、最近は全日本選手権4連覇、北京五輪では宇野さんとともに団体メンバーとして日本初の銀メダルを獲得した小松原美里さんに師事してきた。
普段から映像等でトップカップルの演技を研究。試合出場を念頭に1日3時間の練習を重ねていることも打ち明け、今年2月からは共同インスタグラムで練習風景を発信してきた。「この動画になぜかたどり着いたあなたはチリが積もっていく毎日の見届け人となりました」と意味深長な投稿もあった。
4月には、世界選手権3連覇のチョック、ベーツ組(米国)ら世界の最上位層が拠点としているカナダのアイス・アカデミー・オブ・モントリオール(I.AM)で練習する様子も披露し、ファンの間でも「本格転向があるのでは」と期待感が高まっていた。
ミラノ五輪では、日本勢がシングルの男女とペアの3種目で銀メダル以上を獲得した一方、唯一出場権を得られなかったのがアイスダンス。10年バンクーバー五輪の男子で銅メダルを手にした高橋大輔も、村元哉中と「かなだい」を組んで23年まで活躍したが、五輪に届かなかった。
それほど世界と差がある世界に、愛称候補「しょまりん」の2人が電撃参戦する。30年にフランス・アルプス地域で開催される次回冬季五輪で、日本悲願の団体金メダルへ。ダンスの個別種目としても、日本勢最高が15位という鬼門を破る可能性を秘める。「応援してくださる皆さまと、この挑戦の中で出会うたくさんの景色を共有できたら嬉しいです。これからのしょまりんを、どうぞよろしくお願いいたします」。夢と話題にあふれるカップルが、衝撃的に結成された。
◆宇野昌磨(うの・しょうま)1997年(平9)12月17日生まれ、名古屋市出身。愛知・中京大中京高から16年に中京大進学。同年4月に国際スケート連盟(ISU)公認大会で史上初の4回転フリップ成功。五輪の個人は平昌で銀、北京で銅。22年の世界選手権で初優勝。翌23年も制し、日本男子初の連覇を果たした。全日本選手権は16年から4連覇。19年に山田満知子、樋口美穂子両コーチの元を離れ、ステファン・ランビエル・コーチに師事。プロゲーマーとの“二刀流”としても活動しており、今月1日にeスポーツチームVARREL加入を発表した。現役時代の所属はトヨタ自動車。159センチ。血液型B。
◆本田真凜(ほんだ・まりん)2001年(平13)8月21日生まれ、京都市出身。12年の全日本ノービス選手権B(満9~10歳)を当時の歴代最高スコアで制覇。16年の世界ジュニアは初出場優勝。シニアでは17年のUSインターナショナル優勝。大阪・関大高から青森山田高へ編入。明大ではテレビキャスターやCM出演もこなした。全日本選手権は14歳、中学2年だった15年から9年連続エントリー。家族は両親と姉、兄太一さんと妹2人で、姉以外の4人がスケート経験者の一家。ドラマ「家政婦のミタ」でブレークした妹で女優の望結、紗来も芸能活動を行っている。現役時代の所属はJAL。161センチ。血液型A。


