<全国高校ラグビー:常翔学園70-0萩商工>◇30日◇2回戦◇花園

 常翔学園(大阪第1)は開始2分、敵陣左中間35メートル地点の相手スクラムでワンプッシュ、ボールを奪って、高校日本代表候補SH重が先制トライを奪った。「昔ながらと言うか。スクラムは今やからこそ、しっかりやってます」と野上友一監督(50)。FWにもBK並みのパス、ランの練習が増える中、押せるのは「1・5メートルまで」という制約のあるスクラムにこだわった。夏以降、1日20~30本組んできた。

 だからといって、FWが走れないわけじゃない。前半22分にはフッカー日高がライン攻撃のフィニッシャーとなり、同29分にはNO8桶谷が35メートル独走のトライも決めた。

 花園の大雨の初戦には、苦い思い出がある。97年度の77回大会で、青森北に14-17で負けた。「思い出したくもない。『思い出したらあかん』と思って…思い出してしまった」と野上監督。だが、心配したのは指揮官だけ。CTB佐々木、WTB松井の高校日本代表候補を後半まで“温存”し、半年前に左足首じん帯を手術したCTB木下を公式戦初先発させた。層の厚さ、力強さを見せつけて70-0。17大会ぶり5度目の優勝を狙う花園が始まった。