<高校総体:陸上競技>◇5日◇岩手・北上市

 連覇を狙った女子400メートルリレーの浜松市立(静岡)は、準決勝前に急きょメンバーを変更。1、2年生の若いメンバーながら2位に食い込み笑顔を見せた。

 連覇を逃した悔しさなどなかった。表彰式で銀メダルを手に浜松市立の選手たちは笑顔を見せた。3走の名倉彩夏(2年)は「今大会に入って一番良い走りができた。予選から決勝までみんなでつないできた結果。色はくすんでしまったけど、最高のメダルです」と喜びをかみしめた。

 準決勝前、杉井将彦監督(47)は、予選で調子の上がらなかった加藤帆波(3年)を4人のメンバーから外す苦渋の決断を下した。「3年生を外すということは断腸の思いだった」。それでも悔しさを押し殺し、必死に支えてくれる先輩の思いに後輩たちが応えた。

 今季初のオーダーながらスムーズなバトンパスで粘ると、3走名倉で2位に浮上。この勢いを受け継いだアンカーの建部カオリ(1年)が逃げ切り、県高校タイ記録の46秒46でゴール。加藤は「素直にうれしい。みんな速かった」と涙ながらに話した。杉井監督も「できれば(加藤)を外したくはなかった。メダルを取れて良かった」と声を詰まらせていた。【前田和哉】