ラグビーW杯イングランド大会開幕(9月18日)まで、あと2カ月と迫った。8強進出を目指す日本代表は、今日18日開幕のパシフィック・ネーションズ杯(米国、カナダ)でカナダとの初戦を迎える(日本時間19日午前9時キックオフ)。フッカー堀江翔太(29=パナソニック)が首のケガから復帰して先発出場。久々の公式戦でアピールし、W杯へ再スタートを切る。

 12日に現地入りしたチームは初戦に向け、緊張感を高めている。ジョーンズHCはメンバーについて「さらなるレベルアップを期待できる試合。準備万全な選手を選出した」と話し、堀江にゴーサインを出した。

 堀江の太い左腕は現在、握力が22キロしかない。スクラムの最前列で頭をぶつけ続けた結果、首の骨が削れてとがり、神経を圧迫して左手の自由を失ったものだった。それでも、昨年末には一時14キロまで落ちただけに「だいぶ力が入るようになった」と前向きだ。

 W杯を目指して昨季は自身3季目の挑戦予定だった世界最高峰リーグ「スーパーラグビー」を断念し、オフの2月に手術を受けた。術後3日間は痛みで眠れなかった。手術は成功したが、現在も自力で完全に手を開くことはできない。だが実戦復帰のため、5月からグラウンドに戻ってきた。

 腹をくくっている。「W杯までに100%回復することはない。アカンところはアカンので、焦らんとこうと」と話す言葉には力がこもる。今もしびれが残るという左手を軽く開閉しながら語った。「またスクラムを組みます。このまま引退までやれるか、また手術になるかもわからない。けど、それを考えていたらラグビーできないので」。覚悟を決めて、復帰戦に臨む。