バスケ王国の意地を見せた。秋田安藤誓哉(24)が栃木の日本代表田臥勇太(35)とマッチアップしながら18得点と爆発。落ち着いたゲームコントロールもさえて、勝利に貢献した。

 心に描いた勝利だった。「秋田と僕の契約が決まってから日程が発表されて、この初戦をイメージしてやってきた。勝ててホッとしています」。試合後の会見で笑みがこぼれた。古巣との開幕戦だった。昨季は栃木に在籍。田臥とはポジションが同じで、食事に連れて行ってもらうなどかわいがってもらった。この日は「同じバスケットプレーヤーとして負けたくない。出だしから激しく行こうと思った」と積極的な守備で重圧をかけ続けた。

 第2Q、残り37秒。攻めた。3点シュートラインから力強くボールを放った。「勝負したかった。1対1を仕掛けて、バンクショット(ボードに当てて決まるシュート)で入ったけど、強気にいって良かったと思う」と積極的な姿勢で勝利をたぐり寄せた。

 プレー時間は両軍最長の33分4秒。宮城・明成高校から明大に進み、4年次に途中退部し、米国に挑戦。カナダ、フィリピンと渡り歩き、日本へと戻ってきた。新リーグの開幕戦に元NBAプレーヤーの田臥に勝利したことは大きい。「自信になりました。周りからしたら(栃木)ブレックスの方が強いと言われていましたけど、勝てたというのはチームとしても自信になります」と喜ぶ。逆輸入スターとしての道を秋田で歩んでいく。