大学選手権8連覇の帝京大が、トップリーグ覇者サントリー相手に大健闘した。次回大会から大学枠撤廃が決定しているが、学生のプライドを見せつけた。

 関東対抗戦グループの帝京大を、遠く大阪・花園のファンが総立ちで応援した。見る者の心を揺さぶった証拠だ。前半途中で7-21と離されながら、7点差に迫って迎えた同40分。自陣ゴール前で右からのパスを受けたFB尾崎晟也(3年)がギアを上げた。

 防御ラインの隙間を切り抜けると、続けさまに相手をかわして独走。もう1人迫ってきた相手をステップで翻弄(ほんろう)し、最後はWTB竹山晃暉(2年)へパスを送った。「行け~」と立ち上がるスタンドを背に、竹山がインゴールへたどり着いた。倒れることなく約80メートルを走り切ったカウンター攻撃で19-21。ゴールが決まり同点で折り返すと、どよめきが聖地を包んだ。

 後半はスクラムで認定トライを許すなど、社会人との差が見えた。後半だけで5トライ4ゴールを献上し、スコアを見れば完敗。春からパナソニックに進むSO松田力也(4年)は「大学最後に勝って終わりたかった。チャレンジし続ければ、まだまだ伸びていくチーム。1日1日大切にやっていって欲しい」と涙で振り返った。