2大会連続6度目の優勝を目指すパナソニック(トップリーグ3位)がヤマハ発動機(同2位)を36-24で破り、29日の決勝(東京・秩父宮)進出を決めた。筑波大に在学中で、史上初の学生トップリーガーとなったSO山沢拓也(22)が攻守に存在感を示し、8月のTL開幕戦で敗れた相手への雪辱を果たした。

 山沢が初の日本選手権で輝きを放った。WTB福岡のトライで先制した直後の前半11分、相手裏に空いたスペースにゴロキックを通すと、俊足を生かして自らキャッチ。ゴールライン付近でCTB林へつなぎ、華麗なトライを演出した。後半30分に途中交代するまで攻撃陣を巧みに操り、チームを決勝進出に導いた。

 昨年8月のヤマハ発動機戦でTLデビューを果たすも、「何も出来なかった」と途中交代。それでも、世界的スター選手のSOバーンズや日本代表がずらりと並ぶ強豪チームで1シーズンを戦い抜き、地力を付けてきた。

 29日の決勝前には「GK時の動作解析」をテーマにした卒業論文の発表も控える。19年W杯出場も期待される現役大学生の大器は「前回は自分が出て負けていたし、勝てて成長が証明できたのかなと思う。決勝も出られるなら、出たい」と目を輝かせた。