陸上男子の100メートルと200メートルで五輪3連覇を達成し、8月の世界選手権(ロンドン)を最後に引退すると表明している30歳のウサイン・ボルト(ジャマイカ)が10日、キングストンで行われた母国での最後となる100メートルのレースに出場し、10秒03で優勝した。「走りはまずまずOKだ。でも100メートルを走るのにこんなに緊張するとは思わなかった」と語った。

 国際陸連のセバスチャン・コー会長も会場に駆けつけ、熱狂の中で国民的英雄が登場。スタートでやや出遅れたものの中盤までに立て直し、約3万人の観衆を沸かせた。「会場の雰囲気が自分をサポートしてくれた。長年の応援に感謝を示したかった」と話した。集大成の世界選手権では200メートル出場を見送る意向で、100メートルに「ベストを尽くす」と意気込んだ。