体重無差別の男子7人制では世界選手権(8~9月、ブダペスト)100キロ級代表のウルフ・アロン(21)擁する東海大が、決勝で明大を3-0で下し、2連覇を達成した。優勝回数は史上最多の22に伸ばした。

 名は体を表す-。畳上で「ウルフ(オオカミ)」が優勝に導いた。2-0で迎えた試合開始1分30秒すぎ、32キロ重い相手から大内刈りで技ありを奪い、優勢勝ち。この勝利で東海大の2連覇が決まった。主将のウルフは「自分の手で優勝を決められて良かった。満点です。プレッシャーもあり喜びよりも、ホッとしました」と振り返った。

 男子部員約120人を率いる主将は「サファリパークのようなチーム」と表現する。個性豊かな選手が多数いて、自身はその名の通り「ウルフ」としてチームをけん引する。「名前だけで相手も威嚇出来て気に入ってる。名前負けしないように、さらに強くなりたい」と言う。男子の上水監督も「まさにウルフ。オオカミの特長である、群れずに背中で引っ張る。空気を読んでリーダーシップもあり、これまでいないタイプの主将です」と評価した。

 今年5月には右胸負傷のため、グランドスラム・エカテリンブルク大会(ロシア)を欠場。約3週間休養し、世界選手権への影響はないという。「世界の主要大会で優勝経験はないためチャレンジャーとして臨みたい。もちろん、狙うは優勝です」と前を向いた。

 試合後には、全日本柔道連盟会長に就任した山下泰裕氏や、男子代表の井上康生監督ら東海大OBが円陣を組み、その中心でウルフがともに校歌を熱唱した。同大に在籍し、世界選手権女子78キロ超級代表の朝比奈沙羅(20)はカメラマン役に徹していた。