今季最高の6位で終えたフェルナンド・アロンソは、3強チームに及ばないのは想定通りだったが、自分たちのマシン性能を考えれば最大限の結果をきちんと持ち帰ることができたと笑顔を見せた。

 「ペースはとても良かったし、良いレースだったね。6位というのは(レッドブルのダニエル・)リカルドのリタイアがあったからで、それがなければ7位~8位というのが想定していたことだし、その通りの結果だよ。今までチャンスをミスで逃してきたけど、今日はそんなミスを犯さないようにしてチャンスを最大限に生かし、6位入賞という今日の僕らにとっては最大限の結果を手に入れた。チャンスをしっかりと掴むことができたレースだったね」

 スタートではトロロッソのカルロス・サインツにかわされ、レース前半は彼の後ろで押さえ込まれた。ピットストップでも逆チェンできなかった。しかしコース上で抜き去ってみせた。

 「スタートで彼の後ろになってしまったときは、正直言ってこのまま彼の後ろでレースを終えることになるかなと思っていたんだ。ここはとても抜きづらいサーキットだからね。でも僕はピットストップ後のタイヤに負荷を掛けても構わない1~2周の間に2、3回カミカゼアタックをして何か違うことをトライしようとしていたんだ。それが上手くいったのさ」

 ストフェル・バンドールンはピットストップの際に停止位置を行き過ぎてしまい順位をひとつ落としてしまったが、それでも10位入賞を果たし、マクラーレン・ホンダは今季初のダブル入賞を果たした。

 ホンダの長谷川祐介F1総責任者は、速さはありながらも結果に結びつかなかったここ数戦の雪辱を果たせたことを喜んだ。

 「フェルナンドは実力を遺憾なく発揮して良い結果を掴み取ってくれました。ストフェルはピットストップに尽きますが、それでもラッキーによる入賞ではなくてペース的には6位~8位を狙える速さがありましたし、これで重圧も少し軽くなったんじゃないですかね。スペック3のパワーユニットを投入してからは、オーストリアGPでも充分にチャンスがあったはずなのにポイントが獲れなかったし、イギリスもそれなりに良いペースだったのに結果に結びつかなかったので、とにかく結果が必要だと思っていましたが、それがきちんと果たせたことをうれしく思っています」

 これによりマクラーレン・ホンダは9ポイントを獲得し、ザウバーを抜いてランキング最下位を脱出した。(米家峰起通信員)