開幕白星は遠かった。レバンガ北海道は78-83で富山グラウジーズに敗れた。第2クオーター(Q)に最大17点リードしながら3Qにミスから16連続失点。逆転負けで07年から続く道勢のリーグ開幕戦連敗は11となった。水野宏太監督(35)は「前半と後半で全く違う流れになり、富山の勢いを止められなかった」と振り返った。

 49-36の3Q残り5分29秒、野口大介(34)が決めてから、4分19秒も点の入らない地獄の時間が続いた。ゴール前に攻め入りながら相手にパスを渡し、カウンターで失点。野口が右足首捻挫で離脱すると、一気に逆転まで許した。主将の多嶋朝飛(28)は「誰が(野口の代わりに)出ても、自分たちのバスケができないと…」と肩を落とした。

 1度も追いつけずに敗れた昨年の開幕戦とは違い、前半は主導権を握った。新外国人のマーク・トラソリーニ(27)は多嶋や桜井とのコンビで3本のダンクを決めるなど21点を挙げ、高い適応力を示した。同じく今季加入のグレゴリー・ウィッティントン(24)も11リバウンドと、身体能力の高さを見せた。トラソリーニは「日本のスピードは自分に合っている。自信を持ったよ」と手応えを口にした。

 富山出身のルーキー川辺亮平(22)は、高校時代に戦った会場で受けたブーイングに「信じられなかったけど、これがプロ。必ず勝って北海道に帰る」と誓った。25季目、自身の持つBリーグ最年長出場記録を更新した折茂武彦(47)は「今日はコートに立てたことだけが収穫。不完全燃焼。ただ昨年と違う手応えはある」。まずは今日1日の2戦目でタイに戻し、ホームに戻る。【中島洋尚】