ショートプログラム(SP)首位発進の坂本花織(17=シスメックス)が132・31点をマークし、国際スケート連盟非公認ながら初の200点超えとなる201・15点で優勝した。18年平昌(ピョンチャン)五輪を目指すメンバーが続々と結果を残す中で「やっと200点を出せて、ちょっと仲間入りできた。(オリンピックの)オリぐらいまで見えてきた」と五輪争いへの手応えをつかんだ。

 坂本らしい気合の入れ方で演技をスタートさせた。「坂本花織さん」のアナウンスを受けて、多くの声援を受けながらリンクへイン。スタート位置まで体をほぐして滑りながら、両手を握って「ボキボキッ」と関節の音を鳴らした。

 「『やったるぞ!』みたいな。結構いつもやっているんですけれど、今日は関節の調子が良かった。(会場が)シーンとなったタイミングだったので、『響いてるな…』と思っていました」

 今季の新フリー「アメリ」は4試合目。冒頭に予定していたフリップ-トーループの連続3回転ジャンプが単発になるミスがあったが、演技終盤にリカバリー。3回転ルッツの着氷乱れなど細かいミスを、他のジャンプなどでカバーした。前戦のUSインターナショナルクラシック(9月、米国)は合計169・12点の4位に涙。初めての200点超えを確認するとガッツポーズで喜び「ただただうれしかった」と振り返った。

 他の五輪代表有力選手が全日本選手権のシードや、前後に国際大会が控える関係で免除されていたブロック大会。多くの試合数をこなすことになっている状況だが「近畿を出ずに、ロシアに行っていたら、US(インターナショナルクラシック)の不安が出てしまっていたかもしれない。国内で点数を出せたのは大きい」とニッコリ。グランプリ(GP)シリーズデビューとなるロシア杯(20日開幕、モスクワ)へ、最高の形で弾みを付けた。