自動車のインディカー・シリーズに参戦している佐藤琢磨(40)が今季の全日程を終えて帰国し、米国伝統のインディアナポリス500マイル(インディ500)で日本人初優勝を果たすなど躍進を遂げた1年を「本当に夢の1つがかなった。信じられない、奇跡に近いシーズンだった」と振り返った。

 2010年から参戦し、13年4月にシリーズ初優勝を挙げたが、その後は勝利から遠かった。8度目の挑戦で世界3大レースの1つといわれる伝統のレースを制覇。「長かった。勝てなかったシーズンがあったからこそ多くのことを学べたし、勝つためのモチベーションを高く維持できたから、ことしの優勝につながった」と実感を込めた。

 インディ500を制し、総合優勝争いで上位に浮上。シリーズ王者を目標に奮闘したが8位に終わり「車にスピードはあり、勝負できる態勢にはあった。残念」と悔しがる。後半戦は予選で好結果を残しながらも決勝でトラブルが続き、ポイントを伸ばせなかった。

 来季は1986年のインディ500王者のボビー・レイホールが共同オーナーを務めるチームに6シーズンぶりに復帰する。小規模ながら、ここ数年は上位を争う競争力をつけてきているチームだ。佐藤は「ボビーからは以前からラブコールを受けていて、再びタッグを組めることに興奮している。来季こそ複数勝利を挙げて、総合優勝争いに加わりたい」と意気込んだ。