世界ランキング11位の日本が、同3位でW杯優勝2回の強豪オーストラリアに30-63で敗れた。序盤から体格と個人技を生かした相手に圧倒され、前半を3-35で折り返した。後半3トライを返す粘りを見せたが、あらためて世界トップとの差を見せつけられる大敗となった。日本は8日からフランス遠征に入り、18日にトンガ(同13位)、25日にフランス(同8位)と対戦する。

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 欧州遠征に向けて、最高の経験を得た試合だった。点差こそついたが、世界トップ4のオーストラリアに対して通用する部分はあった。スクラムは互角に組めたし、モールは十分に武器になる。相手を圧倒する個々のスキルも見えた。姫野ら新戦力がこの試合を経験できたことも大きい。

 もちろん、修正すべき点も多い。ラインアウトの安定は必要だし、チーム戦術を遂行するためのフィットネスも足りない。個々の判断力も求められる。細かいことだが、タックルした後の体の動かし方も徹底しないといけない。ただ、多くの課題が分かるのは、強豪と対戦できたから。その経験をW杯に生かしたい。

 19年W杯、日本は最高の環境を手に入れた。1次リーグ全勝突破も可能だが、チームの強化は別。ホームの利を生かす実力がなければ、開催国でも勝たせてはもらえない。オーストラリアのような強豪が来日するのも、日本がW杯の地だから。この「ホームの利」を欧州遠征、そして2年後につなげてほしい。(サントリー監督)