女子は史上7人目のトリプルアクセル(3回転半ジャンプ)成功者でショートプログラム(SP)6位の紀平梨花(15=関大KFSC)が、フリーでトリプルアクセル2本を成功させるなど自己ベストの135・57点をマークし、合計193・46点で初優勝した。

 SP6位から「逆転するにはトリプルアクセル2本」と紀平が攻めた。冒頭で、西日本大会でも決めたトリプルアクセルと3回転トーループの連続技を軽々と決めると、「いける」と、両手を頭上にあげながら2回転トーループも追加。国際大会でも例もみない超大技を決めて勢いに乗ると、続く単発のトリプルアクセルも成功。いずれも2点超の加点をもらう完璧な出来で、「ガッツポーズしたいぐらいうれしかった」。最後までスピード感たっぷりに滑りきり、逆転優勝をたぐり寄せた。

 同門の憧れの先輩、宮原知子の姿が励みになった。試合前、ちょうどグランプリ(GP)シリーズ第6戦スケートアメリカでSPで首位発進した宮原の滑りを動画で見た。左股関節疲労骨折から復活し、見事に演技する姿に「表現が素晴らしいし、練習から努力してきたからこそ」。頑張る先輩に負けじと「いける気がする」と自分に言い聞かせて演技に臨んだ。

 トリプルアクセルからの3回転、2回転トーループの3連続ジャンプを試合で決めるのは、今年2月の全大阪選手権以来2度目。いずれも国際スケート連盟(ISU)非公認の国内大会のため、次戦のジュニアGPファイナル(12月7~9日・名古屋)で成功すれば、世界初と認定されるが「その時になってみないと分かりません」と挑戦は未定とした。