女子は郷亜里砂(30=イヨテツク)が、既に代表に決まっていた小平奈緒(相沢病院)に続く2位に入り、初の五輪代表入りを確実とした。

 遅咲きの美人スケーター郷が大輪の花を咲かせた。女子500メートルで37秒40の低地での自己ベストで2位に入り、初の五輪代表入りを手中にした。最初の100メートルを10秒41で入ると持ち前のコーナーワークで徐々に加速。ラスト1周(400メートル)を小平に次ぐ26秒99の好ラップを刻み、悲願を引き寄せた。30歳での初五輪代表は同種目で男女を通じて最年長記録。「やっとここまでこられた。諦めないでやってきて良かった」と感慨深げに話した。

 進化し続けた先に大舞台が待っていた。14年ソチ五輪代表を逃し引退も考えたが「やりきっていない」と翻意。五輪後に発足したナショナルチームに入り、急成長すると27歳で初のW杯代表入り。線が細かった体は、昨季3キロ増でパワーアップするなど力強さを増し、今季はW杯で4度の表彰台に立つなどメダル候補にまで浮上してきた。

 欲も出てきた。いつも穏やかな笑みを浮かべ、闘志を内に秘めるタイプとはいえ「五輪ではメダルを目指したい」と公言。シンデレラストーリーのクライマックスは、まだ先にある。【松末守司】