女子決勝は、ファイナル初進出同士の顔合わせとなった。大阪桐蔭は、総体2位の桜花学園(愛知)に79―54で快勝。安城学園(愛知)は90―85で八雲学園(東京)を下し、ともに初の決勝進出を果たした。

 安城学園が「大物キラー」の真価を発揮した。優勝候補・岐阜女の「高校3冠」を阻み、迎えた準決勝。上村菜々美主将(3年)は「自信を持ってプレーすれば勝てる」と、1試合最多得点記録を樹立した八雲学園のエース奥山理々嘉(2年)に相対した。

 肉を切らせて骨を断つ。腰を落として重圧をかけ、ジリジリと奥山をゴールから遠ざけると、相手が得意とするロングシュートへの対応はあえて捨て、守備で計38リバウンドを奪った。人数をかけた速攻で反撃に転じて加点した。U-16日本代表の野口さくら(2年)、千葉暁絵、相沢ひかり(ともに3年)で65得点と攻撃の幅を見せつけた。

 今大会で最も高い平均身長173・7センチを誇るものの、空中戦に頼らず、コート全域で攻守を展開するのが持ち味。夏の総体では8強にとどまっただけに、上村は「この1年間やってきたことを出し切って、日本一になりたい」と頂点を見据えていた。