新潟アルビレックスBBが中地区首位のシーホース三河を破った。第4クオーター(Q)、70-70からセンター(C)ダバンテ・ガードナー(26)のブザービーターで72-70で競り勝った。順位は中地区5位のまま。Bリーグが始まった昨季からリーグ戦7連敗中の三河から、これがチーム初勝利。昨年10月25日の横浜戦以来95日ぶりのホームでの白星となった。

 試合終了直後、大歓声の中を満面の笑みのCガードナーが、203センチ、132キロの巨体を揺らしてコート中央に走った。そして倒れ込む。その上にチームメートが次々と覆いかぶさった。「勝利を奪えた。とにかくうれしかった」。普段は感情を表に出さない男が、興奮気味に喜びを言葉にした。

 幕切れは劇的だった。70-70の残り12秒、タイムアウトが明けた後の新潟の攻撃。ガードナーはリング下の左サイドでボールをキープすると、三河のCアイザック・バッツ(28)と押し合う。フェイントを入れてから、体をのけぞらせてシュートを放つ。場内の時計が示していた残り時間は1秒。体勢を崩しながらの1本。「打った瞬間、外れると思った」。そんな感触とは無関係に、ボールはボードに当たってリングに吸い込まれた。タイムアップのブザーが鳴ったのは、それと同時だった。

 最後のワンプレー。三河の攻撃的な守備に、新潟はボールを下げざるを得なかった。その中でガードナーにボールが回って来た。「みんなが自分を見ているのが分かった。預けられたら絶対に決めようと思った」。エースがプライドを持って決めた、チーム72得点目。自身のこの試合25得点目だった。

 庄司和広監督(43)は「チームでやることは前日(27日)と変わっていない。選手がさらに強度を増してプレーした」とたたえた。新潟は1対1の守備でしぶとさを発揮。ターンオーバーは8個とミスも少なかった。三河には昨季2連敗し、今季もここまで5連敗。Bリーグ発足後、シーズンをまたいで未勝利の7連敗中だった。準々決勝で対戦して敗れた今年の全日本選手権(4日)も入れると、公式戦で実に8連敗。今節が今季最後の対戦だった。それだけに、連敗ストップで全員の意思が統一されていた。

 天敵からもぎ取った18年のホーム初勝利。ガードナーは「これで勢いがつく」。そして「この勝利をつなげないと」。余韻もそこそこに、次節のホーム横浜戦(2月3、4日)に目を向けた。【斎藤慎一郎】