元世界4位で同27位の錦織圭(28=日清食品)が、復帰2戦目で復帰後初勝利を挙げた。復帰戦となった先週のニューポートビーチの初戦で対戦し敗れた同214位のノビコフ(米国)と再戦。「サーブリターンがすごく良かった」と、6-3、6-3のストレート勝ちでリベンジを果たし、2回戦では同162位のバヒンガー(ドイツ)-同304位のカロフスキー(ロシア)の勝者と対戦する。

 相手は、荒削りだが、時速210キロ超えの強サーブが持ち味で、先週は11本のサービスエースを奪われた。しかし、今回、錦織はコースを読み、鋭く反応。ラケットを固定し、相手のスピードを利用して返球するブロックリターンなどを多用し、「1本目を返すことができたので、そこから得意のラリー戦に持ち込めた」と、対応した。

 錦織は、第1セット、3オールからの第7ゲームで、相手のサービスゲームを破ると波に乗った。同セットは、自分のサービスゲームを1度も落とすことなく6-3で先取。第2セットも3オールから3ゲーム連取で押し切った。

 右手首も気にする素振りを見せはしたが、「手首が良かったのですごく安心している」。復帰初戦に比べれば、試合勘も徐々に戻ってきてはいる。ただ、勝利とはいえ、全盛期の内容とは比べるまでもなく「内容としてはまだまだなところは多い」と反省しきりだった。

 錦織は、昨年8月に右手首の腱(けん)を脱臼。先週のツアー下部の米ニューポートビーチ大会まで実戦から遠ざかっていた。先週は、昨年8月のロジャーズカップ(カナダ・トロント)以来の実戦で、ノビコフに3-6、6-3、4-6で敗れていた。