スピードスケート女子の高木美帆(23=日体大助手)が12日、合宿中のオランダ北部ウォルフェガでインタビューに応じた。平昌五輪(ピョンチャンオリンピック)で金、銀、銅のメダルを取り、10日には世界選手権で日本勢初の総合優勝。大躍進の達成感や、今後への揺れる思いを語った。

 -心身をすり減らした五輪の後に世界選手権制覇

 「心の部分は今も戻っていなくて、頭がぼうっとしている感じ。準備の時間が短くても結果を残せたのは、五輪のために積み重ねてきたものが確かだったからだと思う。簡単には崩れなかった」

 -華々しい活躍。次の目標は見つけられるか

 「振り返るとこの4年間、ずっと苦しんできたし自分を追い込み続けてきた。それをもう1度できる自信はまだない。同じようにはできないというのが、今の正直な気持ち」

 -今季で引退するほどの覚悟で挑んでいた

 「時間を戻してやり直したいことがあるかと聞かれたら、ない。失敗や気持ちが乗らないことはあったが、そういうときにどうすべきか、そのときの自分の100%の判断をしていた。最後まで逃げなかったと思う」

 -自身の滑りを追求するタイプだが、五輪での結果を最優先に取り組んできた

 「ソチ五輪の代表落選という自分を刺激するものがあったから変わったというのはあるが、大事にする根本は変わっていない気がする。言い方を変えればこの4年、少し自分を偽ってきたかも。楽しみたいという気持ちは封印していたかもしれない」

 -期待も大きかった

 「これはぜひ伝えたいことだが、プレッシャーは全然なかった。どの種目もメダルを取らなきゃいけない、とは思わなかった。取りたいという気持ちのほうが強かった」

 -現役続行の決断には時間がかかりそうか

 「続けるには続ける。ただ、スケートにどう向き合うかは決めかねている。五輪に向かうとしたら、次の4年間のほうがつらいと思う。今回のようなきれいなシナリオができることはたぶん、ない。それ以上のものを求められたら、苦しくなるかもしれない」