世界36位の錦織圭(28=日清食品)が、久々に躍動した。

 今季開幕戦を制している若手の成長株で同49位のメドベージェフ(ロシア)に7-5、6-2でストレート勝ち。「1試合目よりも攻めるプレーがよかった。ネットも決まった」と、得意のストロークで22歳の若手を振り回した。3回戦では、同68位のガルシアロペス(スペイン)-同62位のセッピ(イタリア)の勝者と対戦する。

 第1サーブが入る確率が低く、第1セットは1-3とリードを許した。しかし、この日は、ストロークが好調。1回戦で不調だったフォアがクロス、ストレートともに打ち分けられ、試合展開のバリエーションが増えた。余裕も生まれ、ドロップショット、ネットプレーと、面白いように決まった。

 すぐに3オールに追いつき、5オールから相手のサービスゲームを破り、第1セットを7-5で先取。第2セットは、1度も自分のサービスゲームを落とすことなく、ストレートで振り切った。

 この日は、1度もトレーナーを呼ばなかったが、昨年8月に腱(けん)を脱臼した右手首には不安が残る。赤土は、球足が遅いため、ラリーが長くなる。球に多くの回転をかける必要もあり、手首への負担は大きい。本人も「まあまあ。最高ではないが何とかやってます」と、決して万全ではないと明かす。この日から勝ち進めば連戦が続くため、手首の具合が、今後のカギを握りそうだ。