新潟アルビレックスBB(中地区3位)がチャンピオンシップ(CS)進出に望みをつないだ。三遠ネオフェニックスを84-81で破ってこのカード連勝。前節から連勝を4に伸ばした。Cダバンテ・ガードナー(26)が38得点。第4クオーター(Q)の残り59秒、20秒と最終盤で立て続けに得点するなど、第4Qだけで14得点した。残り3試合で新潟とCS進出圏の同2位名古屋Dとの差は3ゲーム。1つも負けられない状況だが、逆転の可能性は残した。この勝利でB1残留が決定した。

 Cガードナーがほえた。チームメートに体をたたかれながら感情を爆発させる。第4Q、82-81の残り20秒、リング右下からとどめの1本を決める。勝利を確信したように右のこぶしを突き上げた。その39秒前、80-81から逆転の1本をねじ込んでいる。土壇場に決勝とダメ押しのシュートの連続。「流れの中で、みんなが自分に任せてくれた」。チームメートの期待を意気に感じてのプレーだ。

 新潟は第4Q、追い詰められた。残り4分47秒のオフィシャルタイムアウトの時点で66-75と、この試合最大の9点リードを許した。三遠の果敢なアタックにファウルを重ね、リズムを崩した。誰もあきらめていなかった。その象徴がガードナーだった。「自分たちのペースに持っていかなければCSはない」。がむしゃらにリングに向かうのではなく、冷静に得点しやすい状況をつくろうとした。

 PG五十嵐圭(37)とのピックアンドロールを多用し、相手の守備をかわす。「相手は自分にダブルチームをしかけてくる。少しでもリングに近い位置に入ろうと思った」。五十嵐も「最後はダバンテで勝負」。ガードナーは第4Qの14得点のうち、10得点がオフィシャルタイムアウト後。勝負強さをみせつけた。

 負ければCS進出が断たれる状況で激戦を制した。試合後のあいさつで庄司和広監督(44)は観客席に向かって「選手、かっこいいでしょ。褒めてやってください」とマイクパフォーマンスで沸かせた。五十嵐は「残り3試合はトーナメント。みんな分かっている」と一丸の雰囲気を感じた。ガードナーは「こういう緊張感は好きではない」と苦笑いしながら、「目標(CS進出)のためには不可欠な緊張」。勝ち抜く覚悟は決まった。【斎藤慎一郎】