女子で1次リーグB組の日本は、オーストリアとの全勝対決を3-0で制し、4戦全勝とし、1位通過で8強入りした。すでに決勝トーナメント進出を決めている日本は、第1試合の伊藤美誠(スターツ)が3-0で勝利すると、第2試合の石川佳純(全農)、第3試合の平野美宇(日本生命)も続き、3人ともに全戦ストレート勝ち。次戦の米国戦で全勝通過を目指す。男子で1次リーグC組の日本は、台湾を3-0で下し決勝トーナメント進出を決めた。

 負けられない試合で強さを際立たせた。世界ランキング2位の日本は、1次リーグ最大のヤマ場といわれた同7位のオーストリアとの全勝対決をあっさり制し、4連勝でB組1位通過で8強入りした。ここまで3人が1ゲームも失わない完璧な勝利で、前日には決勝トーナメント進出を早くも決めている。全試合1番手で起用される伊藤が、テンポよく試合を運びチームに勢いを呼んでいる。「1番手がすごく好き。いい流れを作れていると思う」と納得する。

 17歳の全日本女王がこの日もけん引した。第1ゲーム、13-12からタイムアウトを挟んだ後、流れを一気に引き寄せた。相手のロングサーブに思い切りよく体を開いて強烈なフォアをたたき込む。鋭いレシーブを決めて試合を奪った。「反応でしっかり打てた。足も動けていた」と振り返った。

 2番手の石川が好ショットを連発して続くと、3番手の平野も第2ゲームで開始早々、4連続失点するなど苦しんだが、徐々に立ち直って逆転し、そのまま押し切った。3人それぞれが持ち味を発揮し、主将の石川は「みんなの調子も上がっている」と声が弾んだ。

 打倒、中国へ機は熟した。2大会連続で高い壁に阻まれ銀メダルに終わっているが、悔しさを力に変え、諦めず、食らいつき、石川が3月のドイツ・オープンで中国選手から2勝を挙げ、平野は昨年4月のアジア選手権で中国選手から3連勝して優勝するなど、手の届く位置まで成長してきた。1次リーグは実力差のある米国戦を残すのみ。1位が確定し、決勝トーナメントは準々決勝からの出場だ。伊藤は「チーム一丸、気を引き締めて戦っていきたい」。チームジャパンで悲願へ向かう。

 ◆卓球世界選手権団体戦 日本は男女ともに52年ムンバイ大会(インド)から参戦。過去、男子は7度、女子は8度世界一になっている。男子が勝てば69年のミュンヘン大会(ドイツ)以来で、2大会連続銀メダルの女子は71年名古屋大会(日本)以来の優勝となる。