静岡県高校総体バスケットボールが26日、藤枝明誠の体育館などで開幕する。男子で、39年ぶりに県大会出場の沼津工(東部11位)は、中部地区1位の藤枝明誠と対戦する。 県切符は劇的勝利でつかんだ。13日、小山との11位決定戦。序盤に大きくリードしたが、試合時間残り9秒で61-61の同点にされた。負ければ引退。追い詰められた状況で、芦川勝(3年)が単独速攻を仕掛け、フリースローライン近くからシュートをねじ込んだ。「県に向けて頑張ってきたので、勝てて良かった。(県大会でも)悔いのない終わり方をしたいです」。

 芦川はチームの得点源だが、競技を始めたのは高校からだ。中学までは野球部に所属し、日大三島からも声を掛けられるほどの実力だったが、友人に誘われてバスケットボールに転向した。

 身体能力は高く、リングまで手が届くが、入部当初はミドルシュートが入らなかった。苦手を克服すべく、全体練習後に100本入るまで帰らず、朝練でもシュート練習を重ねるなどした。部活が休みの日にも、マネジャーに体育館を開けてもらい、自主練習した日もあった。「やると決めたからには人一倍努力しようと思いました」。

 初戦で対する藤枝明誠は、206センチのセコウ・ドゥクレらを擁し、高さを生かしてくる。芦川は「ゴール下に入らせないようにみんなで守り、最後まで攻め続けたい」と言った。挑戦者として、この一戦にすべてを懸ける。【大野祥一】