男子予選では、世界選手権(10~11月・ドーハ)代表入りをかけ、若手とベテランが意地をみせた。

男子代表は5人で、既に内定している内村航平、白井健三を除く3人が全日本選手権から今大会までの結果を総合して選出される。

 4月の全日本選手権で内村を破り初優勝した谷川翔(19=順大)は6種目に臨み、すべて14点台を出すなどオールラウンダーの力を発揮。床運動、あん馬、平行棒の3種目で決勝に進んだ。「床とあん馬でまだ伸びしろがある。もっと貢献度(ポイント)を稼ぎたい」と最終日の決勝でさらにアピールするつもりだ。

 その兄航(21=順大)は跳馬でブラニクを完璧に決めて1位で予選通過。つり輪、平行棒でも決勝に駒を進め、「1番理想」と弟とのダブル選出を願った。同僚で15年世界選手権代表の萱和磨(21=順大)はあん馬で14・800点と高得点をマークし、2位で決勝へ。「明日につながるいい演技ができた。優勝すればいける」と自信たっぷりに話した。

 14年リオデジャネイロ五輪団体総合金メダリストの田中佑典(28=コナミスポーツ)は平行棒で15・300点、鉄棒で14・600点を出し両種目で1位通過した。昨年は代表落ちを経験。「あらためて重圧を背負える充実感が分かった。その重圧を感じながら体操をやりたい」と日の丸への思いを強めた。「もっと技と技をスムーズにこなせる。まだ通過点」と美しい体操で代表返り咲きを狙う。