日大アメリカンフットボール部の悪質タックル問題で、負傷した関学大QBの父、奥野康俊氏が31日、日大の田中英寿理事長(71)に面会を申し入れたことを自身のフェイスブックで明かした。
奥野氏は「記者会見はしないとの報道を知り、日大に田中理事長との面会を申し入れた。7月31日10:17 返事待ちだ。早く終息させないと悪化するばかりだ」とつづった。その投稿の約5時間前には、30日に行われた日大の第三者委員会の最終報告を受けて、見解をつづった。全文は以下の通り。
事件から85日目 7月31日
私に、寄せられた、命を狙うというメッセージは、誰がなぜ送ってきたかは知りませんが、私は、田中理事長との面会を申し入れる事を宣言する。
7月30日第三者委員会の結果報告があった。最初から事実認定をするだけのこととの勝丸弁護士の話は一貫していた。内田前監督、井上前コーチの言葉をそのまま受け、理事長の説明責任はあるが、処分については言及しなかった。
今回の真相究明で大切なのは、なぜ、権力を持ったのか、これをお金の流れを含め調査する必要があると考える。
これは、監査法人を入れ正々堂々と監査を受ければ何の問題もない事である。
今回の事件は、黒い噂が、本当でなければ、すぐに幕が引けた筈であった。と推測せざるを得ない。
指示を出した事を認めると芋づる式に、闇の全てが露呈される事を恐れているのかどうかは、私の与り知らない話である。
この事件の解決に、ここまで時間がかかったのは、2600億円の予算を握る理事長に対して、露呈されては困る事があるのではと、誰もが疑心暗鬼になるのは至極自然な見方である。
文科省のアクションが起きないことに対しても、深い闇に、政治家、官僚、文科省も絡んでいるのではと危惧をする。
文科省案件では、これまでに何度も指摘してきたが、統治機構として古い体質がのさばり過ぎて、機能不全を起こしている。
私がこの事を指摘してから、裏口入学、ハンドボール、アマレス、ボクシング、相撲、水球、あまりにも文科省関連の問題が多すぎる。
教育機関のガバナンスが時代錯誤であり、古すぎて追いついていないと言わざるを得ない。スポーツにおいてのパワハラ、暴力は見るに耐えない。
国としてのガバナンスが効いていない証拠であり、ザル法であるがゆえに、不祥事が起きる。まさに、ついてまわるのは、権限と利権、最終的にお金にまつわる話である。
政治が教育に介入する事は許さないという大前提がある。本来果たすべき、子ども達を守り、教育現場を聖域にする為に制定された法律を盾に、教育機関そのものが、悪に蝕まれ腐敗している事がようやく露呈されるに至った。これに気づいた国は、そこの全てを見直す必要がある。
第三者委員会の結果報告は、私の息子に怪我を負わせろという、監督の指示があった事を認め、ガバナンスを含めて、説明責任は理事長にあるということであった。
今回、内田理事を含め2人の理事が辞めたことは彼らに絶対的な権力があった事を裏付けるものである。
その権力とは、人事と利権、そこで受け取られる果実とその分配方法である。
特別枠での入学や、スポーツ推薦における学費全額免除、一部免除の権限、就職先の斡旋などである。
これらのやり取りは、やはり、大学経営と密接に関係しなければ持てない権力である。
田中理事長は、大学とクラブは別物である。今回の事件は、大学が直接かかわり解決する問題ではない。だから、顔を出す必要がないという内容の事を第三者委員会のヒアリングで答えている。
また、本人の申し入れを受け、刑事裁判費用は大学が出すと大学は結論を下しているそうだ。これは、もちろん田中理事長の決断とみなされ、これについての説明責任が必要である。
この時点で、今回の事件に対して罪の意識が全くない事も露呈された。
アメフト部の問題であり大学と事件とは関係ないと言っておきながら裁判費用は大学が持つ。というこの2つの田中理事長の回答は大きく矛盾している。
被害者家族を馬鹿にするのもいい加減にしてもらいたい。
憶測だが、ここで、明らかになったのは、これまでの田中理事長の対応、大学の全ての対応は、裁判での法廷闘争に向けた布石であろう事である。
事の重大さを認識できない田中理事長は、もはや、教育機関のトップにしがみつく資質は全くない。と、良識ある世論の方々から審判が下るであろう。
私が思う解決策について以下に記す
今回の全ての報告の中で、加害者についての配慮が全くない。
彼は、アメフトが大好きだった。
その彼を日大フェニックスに戻してあげる事が全ての解決につながる。と考える。
今回の日大の対応は、改善策にこだわっているが、今回の事件の解決策は全く語られていない。
全ての責任は、加害者一人に押し付けている。監督の選任、コーチの選任は私にとってどうでもいい話である。
彼に罪を押し付けた状態で彼が戻ってこれる道理は全くない。
彼がアメフトに復帰できるようにするには、指示をした事を内田前監督本人が認める事。
その絶大な権力を与え、理事であるにもかかわらず放置していた責任の重大さを理事長自身も認める事。
大学を含め独裁体制から脱却する事。
井ノ口理事が、今回の事件について、口封じの為、なぜ、日大が総力を挙げて潰しにいくと恫喝できたのか。
総力とは、黒い闇を意味するのか。理事長を、意味するのか。
理事長ならば、潰しに行くことに協力させるような事を言い切る事が出来た理由は何か。
他の辞任は後手後手であったにもかかわらず、なぜ、井ノ口理事だけ、すぐに辞任に至ったのか。
黒い闇の根っこの一部がここにあるのではと疑いを持たれても仕方ない。
潔白を証明して日大がブランドを取り戻し再起をはかるために、監査法人による監査を受けることは必須になってきたように思われる。
田中理事長が、会見を開かれ、早く幕を閉じられる事を強く希望する。
内田前監督が私の息子に怪我を負わせろという指示をした事を認めることが、加害者選手の復帰、関学との定期戦の復活に繋がり息子と加害者選手がグラウンドで握手できる日が訪れる事につながると信じている。
来年の定期戦において、握手する2人の姿が、グラウンドで見れる事を強く願う。
これが私の幕引きと判断できる日だ。