世界王者になって大学4年間の集大成にする-。柔道の世界選手権(9月、アゼルバイジャン)男子100キロ超級代表の小川雄勢(22=明大)が25日、都内で行われた大学の壮行会に出席し、世界王者になることを誓った。

小川はOBで4回世界王者に輝いた父直也氏(50)ら約100人の参加者を前に堂々とあいさつした。「世界選手権では日本代表として、明治大学代表として戦う。大学4年間の集大成にもなると思うので、金メダルをしっかり持ち帰りたい」。強豪の明大柔道部主将としての気持ちも込めた。

7月には東海大への出稽古中に右膝の靱帯(じんたい)を損傷し、グランプリ・ザグレブ大会を欠場した。「稽古は出来ないし、正直、焦りしかなかった。膝は完治したけど、まだ恐怖心が少しある。残りの期間で練習を積んで、恐怖心を消したい」。この日まで、けがの様子を見ながら天理大への出稽古などを中心に心身を追い込んだ。

壮行会では、猿渡琢海監督が10年世界選手権(東京)決勝で「絶対王者」のテディ・リネール(フランス)を下したOBの上川大樹(28=京葉ガス)の話を一例に挙げ、上川と同じように「初出場で初優勝」を要望した。それを受けて小川は「上川先輩には『来年は(世界選手権が)東京で優勝出来るから、今年頑張れ』と冗談っぽく言われた。自分の強みのスタミナを生かして、今年『世界に小川あり』を証明したい」と闘志を燃やした。

直也氏は、息子の姿を感慨深く見守った。学生とOBととも明大校歌を熱唱後、「父として大学OBとしても、息子にはこの4年間の集大成を見せてほしい。世界一を目指すという、ついにこの領域に来たなという感じ…。ここからやらないといけないことも多々ある。正直、息子がどこまで出来るか楽しみだし、今の幸せな時間をかみしめながらサポートしたい」と、さらなる成長を期待した。