テニスの4大大会、全米オープン(ニューヨーク)が現地時間27日に開幕した。日本男子は世界19位の錦織圭(28=日清食品)を筆頭に4人が、日本女子は世界19位の大坂なおみ(20=日清食品)と同99位の奈良くるみ(26)の2人が出場する。その中で、今大会がひとつの区切りとなるのが同177位の西岡良仁(22=ミキハウス)だ。開幕前日、西岡は約1時間、しっかりと練習。「充実している」と準備は万端だ。

西岡は、昨年3月に自己最高の世界58位まで上昇し、錦織に次ぐ日本男子2番手につけた。しかし、同月のマイアミオープン2回戦で、左ひざ前十字靱帯(じんたい)断裂の大けがを負い手術。今年1月に復帰するまで戦線離脱した。

ケガで半年以上プレーできなくなった選手は、公傷ランキングが適用される。けがをした後、3カ月間の世界ランクを平均したものが公傷ランクで、復帰後、最大9大会でエントリーのために使用できる。

西岡の表に出る世界ランクは177位だが、公傷ランクは66位だ。その公傷ランクを使って、復帰した今年、すべての4大大会にエントリーしてきた。そして、この全米が公傷ランクを使用できる最後の9大会目となる。

しかし、今年の4大大会は、すべて1回戦がシードとの対戦だ。「本当に運がない」。今回の全米こそ「ドロー運がいいと思っていた」。それがふたを開ければ、1回戦から4大大会歴代最多優勝を誇るフェデラー(スイス)を引いた。得意なハードコートの全米で頑張ろうと思っていただけに「またかよと、丸1日ぐらいは落ち込んだ」。

ただ悔やんでいても仕方がない。「自分の名前を広げるチャンス。どうやって、あのレベルの選手を攻略できるか」。幸いにも「感覚はほぼ100%まで戻っている」。昨年2月のメキシコオープン準々決勝で、ナダルと対戦し6-7、3-6で敗れた。「1ゲームも取れないと思ってたけど、案外、接戦できた」。西岡自身初めての4大大会センターコートで、打倒フェデラーの大金星に挑む。試合は、日本時間29日午前8時以降のナイトセッション第1試合に組まれている。

◆WOWOW放送予定 8月27日(月)~9月10日(月)。連日独占生中継。