北海道出身の21歳、初出場の小武芽生(エスエスケイフーズ)が4位に入った。故郷が震度7の地震に襲われ、北星女子学園高時代に通っていたジムも被害に遭う中、奮闘した。

小武は故郷北海道への思いを登りに込めた。テンポよくホールド(突起物)をつかみ、33+(34手目直前で失敗)の高度を獲得。7人が登り終え暫定1位となるも、表彰台にはあと1手届かなかった。「力は出し切れたけど、くやしい」。困ったような笑顔だった。

小武は「ジムも大変だったみたいなので、頑張ろうと思えた一因」と言う。札幌市の「ウィッパースナッパージム」では、地震で蛇口についていたホースが振動と水圧で破損した。約1時間放水し、更衣室やカウンターまで水没。ジムのオーナー萩原亜咲さん(31)はジム再開に向けボルダリングマットの乾燥作業に追われていた。「芽生ちゃんは毎年帰って来てくれるんです」。深夜2時開始の決勝も生中継で見届けた。「感動しました。帰る場所として早く復活させられるように、パワーをもらいました」と前を向いた。

ボルダリング、スピード、複合もまだ残る。「さらなる目標ができたので頑張る」と笑みを浮かべた。【戸田月菜】