第一人者の野口啓代(29=TEAM au)が、ボルダリングで銀メダルに輝いた。

6人で争われた決勝では、1課題目、2課題目ともに「ゾーン」と呼ばれる加点される高度にも届かず。「3課題目が勝負だ、ここで絶対に登りたい」。自分に言い聞かせて臨んだ3課題目、1トライ目でゾーンに到達し、2トライ目でトップホールド(突起物)に届き完登。ガッツポーズをして喜びをかみしめた。ここまで暫定3位の位置で迎えた最終4課題目。世界選手権は2大会連続の銅メダルの悔しさが、頭をよぎった。「ここで登れれば2位に上がる。2年前よりも1つでも順位を上げたい」。2トライ目でトップホールドに手をかけると、何度もうなずいて歓喜の余韻に浸った。

銀メダルを手に「優勝を狙っていたのですごい悔しい気持ちはあるんですけど、決勝1課題目2課題目何もできない中で3、4課題目気持ちを切らさずに2位まで上がれたのはすごく良かったと思います」。悔しさと喜びが入り交じった素直な言葉を口にした。

ボルダリング金メダルのヤンヤ・ガルンブレト(19=スロベニア)とはゾーン1つの差だった。「ヤンヤは最終課題を登る前に優勝が決まっていた。3課題目の時点で優勝に絡めていない時点で負けていましたね」。

女子は3種目全ての決勝が終わり、野口は複合順位は3位で16日の複合決勝に進む。「1個でも上の順位を狙いたい」と力強かった。ガルンブレトはリードでも2位で、16日の複合決勝にも1位通過。「リード、ボルダリングとかなりヤンヤが強いので、1番のライバル。私は追う立場なので少しでも追いつきたいなと思います」と静かに闘志を燃やした。