10月26日に開幕したF1第19戦メキシコGPで、トロロッソ・ホンダは旧スペック2のパワーユニットで戦うことを決めた。第16戦ロシアGP以来使ってきたスペック3はまだ熟成が進んでおらず、標高2250メートルの高地にあるメキシコシティでのレースに必要とされる特殊なセッティングを施す上で、熟知したスペック2を使用するもの。

ホンダの田辺豊治テクニカルディレクターは以下のように説明する。

「ここは高地だということで、キャリブレーションの領域でいろんな制約や守らなければいけないために設定を変えなければいけない部分があります。そういうところに関しては、スペック2の方が広範囲にわたる経験がありますから、スペック3を投入して皆さんにお見せしてしまったような失態をまた高知に来てやらかすというようなことよりは、手の内にあるスペック2できちんと戦いましょうということです」

高地では空気が薄く、その分だけエンジンに取り込む空気量を保つために過給圧を上げなければならず、ターボに負荷が掛かる。ターボに接続したモーターから発電するMGU-Hの動作にも関連するほか、空気が薄いため冷却も難しくなり、メキシコシティでは特殊なセッティングが求められパワーユニット全体に通常以上の負荷が掛かる。

スペック2と3では性能に大きな開きがあるが、スペック3は耐久性の面で不安があるため、残すブラジルGPとアブダビGPを確実に走るためにメキシコGPではスペック2を使用することを決めた。

また、前戦USGPで使用したパワーユニットのうち、ピエール・ガスリーが使用したのと同じ時期に製造した個体にベンチテストで問題が発生したため、次戦以降に向けて新品のストックを用意しておくためメキシコGPのフリー走行に新品を投入し、ここでグリッド降格ペナルティーを消化しておくことを決めた。

「USGPで使った個体は、最近時組み立ての個体でベンチテストをしていたら不具合が出ていたものがあって、その原因を追いかけていくとアセンブリーの過程で怪しいところ、(他の個体とは違う)変化点があるということで、一度HRD Sakuraに戻して確認をしようということでこういうかたちをとりました。この先戦っていくためにどうするかということを考えて確実に最新スペックで戦えるようなかたちをとりたいということで、金曜日に新品を投入してすぐにスペック2に戻し、新品をストックにします」(田辺テクニカルディレクター)

(米家峰起通信員)