アジア大会金メダルの四十住さくら(よそずみ、16)が「初代世界女王」に輝いた。国際競技連盟(IF)のワールドスケート(旧国際ローラースポーツ連盟)が主催する初の世界選手権に出場した四十住は準決勝を5位で勝ち上がり、決勝に進出。4本行う40秒のランの1本目に57・87でトップに立ち、3本目に59・00点を出して優勝した。

今年5月に第1回が行われた日本選手権で「初代日本女王」となり、8月のアジア大会では「初代アジア女王」。一気に世界まで駆け上がった。東京オリンピック(五輪)について「ピンとこない」と言っていたが「出られるなら出てみたい」「出て世界と戦いたい」と、成績とともに気持ちも変化した。

アジア大会では「日本代表チーム」として戦うことの楽しさも知った。「今までは海外遠征も1人だったけど、仲間がいて楽しかった。楽しくスケートができた」と話していた。この日も2位になったライバルの中村貴咲(きさ、18)や小学生の岡本碧優(みすぐ、12)、開心那(ひらき・ここな、10)らとゲーム中も談笑。米国やブラジルの有力選手がミス連発の中、余裕を持って滑った。

中村は1本目52・04で四十住に続く2位につけ、2本目以降で逆転を狙ったが上回れず。5位には岡本、7位には開が入った。世界のトッププロが集まる初めて行われた「五輪前哨戦」で四十住、中村らの「日本女子パーク陣」が強さをみせつけた。