指揮官の理想実現へ“新兵器”導入だ! バスケットボールBリーグのレバンガ北海道は6日、札幌市内で今日7日のサンロッカーズ渋谷戦(札幌・北海きたえーる)へ向けた練習を公開した。この日から、選手の加速度や走行距離などが測定できるカタパルト社の「GPSアスリート・トラッキングシステム」の使用を開始。ジョゼ・ネト監督(47)が目指す「40分間走り回れるチーム」作りへ科学的にアプローチする。

レバンガ北海道に“新兵器”が導入された。ブラジャーのような謎のアイテムに、選手たちは多少戸惑った。装着した関野剛平(24)は「気にならないですね。プレーがしにくいということは全くないです」。いつも通りの軽快な動きで練習を終えた。

オーストラリアに本社を置くカタパルト社が提供する「GPSアスリート・トラッキングシステム」。背中のポケットにGPSデバイス、前面に心拍計を備え、走行距離や加速・減速のスピード、心拍数が把握できる。

J1北海道コンサドーレ札幌もすでに同システムを導入。試合中、頻繁に選手交代するバスケットの場合、より有効的に実戦活用できる。ベンチのネト監督はモバイル端末を使い、装着してプレーする選手個々のデータをリアルタイムで可視化できる。「40分間走り回れるチーム」を掲げる指揮官は「細かいフィジカルコンディションを知ることは大事。(装具導入は)良いサポートになる」と説明する。今日7日のSR渋谷戦での実戦使用を検討している。

また、昨季と比較して今季リーグ開催期間は2週間ほど短縮された。その影響で平日ゲームが3倍増となる過密日程。カタパルト社の担当者は「フィジカルのケア、選手のコンディション把握に利用できる」と、ケガ防止にも一役買う。

2年連続チャンピオンシップに出場している川崎がBリーグで同システムをいち早く導入。北海道は3例目となる。ネト監督は「コンスタントに良いプレーができれば、相手は関係なく戦える」。最新アイテムで理想のチーム作りを加速する。【浅水友輝】

◆「GPSアスリート・トラッキングシステム」 オーストラリアに本社を置くカタパルト社が提供する運動時のデータを集約する一括計測システム。もとは70年代に同国がオリンピックでメダルを獲得するために開発された技術。日本国内ではサッカーJリーグ15クラブ、ラグビートップリーグの12チームなどが活用。バスケットボールの米NBAでは、規定によって試合着用はできないが、昨季優勝のウォリアーズなど10チーム以上が練習で利用している。