男子決勝はJTが東レを3-0で破り、4年ぶりの優勝を飾った。

第1セットは序盤一進一退の攻防が続きジュースに持ち込まれたが、最後はエドガーのアタックが決まり、26-24でものにした。第2セットはセッター深津の絶妙なトス回しで相手のブロックを振り、ミドルブロッカー小野寺のクイックなどで優位に試合を進め25-22で制した。第3セットも勢いのまま追いすがる東レを終盤に引き離し、25-23で、ストレート勝ちした。

エドガー、劉にトスを集め、得点を重ねたが、実は攻めるサーブがその効果を生んでいた。サービスエースは相手の倍の6本。それ以外にも相手を崩し、ミスを誘った。山本主将は「Vリーグでは、ミスを恐れて得点を取ることができなかったので、今大会はリベロを狙わず、強気でサーブを打つことを意識した」と話した。その山本は守備でも貢献。サーブレシーブ成功率は70%を超えた。

今大会1セットも落とさずに頂点に立った。王道バレーだと言われたが、そのバレーで頂点に立った。山本は「無策でやっているわけではないが、最後に託せる選手がいるので、裏をかかれなければ負けないし、真っ正面から対抗できる」と力強く語った。

第1セットの終盤と第2セットの序盤でサービスエースを決めた小野寺も「自分のローテは得点するチャンスが高いが、ミスを恐れず強気で攻めた」と作戦通りだった。日本代表として今年アジア大会、世界選手権に呼ばれながら出場機会に恵まれなかった。石川祐希ら同年代が活躍するのを間近に「悔しい。何が足らないんだろう。自分も存在感を出したい」と感じた。帰国してセッター深津らチームメートに相談し、クイックやサーブを磨いてことが優勝につながった。

シーズン途中のVリーグでは現在4位。小野寺は「喜びは今日まで、明日からまたしっかり練習します」と話した。Vリーグ優勝、東京オリンピック(五輪)出場を目指す小野寺にとってこの優勝は通過点に過ぎない。【松熊洋介】