女子の開志国際(新潟)は、韮崎(山梨)に87-59で快勝した。チームコンセプトは攻守の切り替えが速いバスケットで、タイプの違うPG木村真唯とPG小野寺佑奈(ともに2年)が、交互にコートでゲームをリード。16年に遂げた8強超えへ、好発進した。今日24日の2回戦は浜松開誠館(静岡)と対戦する。

走りが違う。スピードが違った。開志国際は立ち上がりから一気に突っ走った。開始2分には9-0と、早くも相手を置き去り。スタートから攻撃のギアをトップに上げたのは司令塔のPG木村だった。「いい目、いい感覚を持っている」と伊藤翔太監督(30)が信頼する先発PGがボールを散らしゲームの主導権を握った。13日に左足首捻挫に見舞われたが、試合での脚力は失われていなかった。

開志国際の持ち味はスピード。「ウチのトランジション(攻守の切り替え)のスタイルはサンブ・アストゥ(2年=セネガル)がリバウンドを取ったら、その留学生が攻撃に加わる前に攻撃を決めてしまうもの」と伊藤監督は言う。そんな展開をもう1人のPG、小野寺も実践してみせた。

第1Qの1分30秒。小野寺はコートに出ると2連続でレイアップシュートを決める。速い展開のアクセルを全開にしてリードを広げた。「どんどんリングにアタックして、ディフェンスが寄ってきたら、空いた仲間にパスをする」という小野寺の持ち味は自分を生かして周囲も生かすスタイル。試合を通じて危ないシーンは1度も訪れなかった。

パスを駆使してゲームを作る木村と、ゴールに切り込んでゲームを主導する小野寺のタイプの違うPGが交互にコートに登場して攻撃の組み立てにアクセントをつけた。時には同時に2ガードをコートで組み、相手の守備を絞らせなかった。

「木村は周りの選手を使うのがうまい。小野寺は個人で打開する力がある」と伊藤監督は2PGを使い分け。「いつも伊藤監督には『2人は自分らしいプレーをして個性を出せ』と言われている」と木村は話したが、「強いマークにも逃げない」は共通の思い。初戦好発進に、2人の視線は上位進出をにらんでいた。【涌井幹雄】