昨年8強入りした男子の飛龍(静岡)は68-57で北陸(福井)に逆転勝利し、全国総体のリベンジを果たした。PF杉山裕介(3年)が試合前に体調不良に襲われたが、エースキラーの役割を全うし、全国総体に続きベスト16に入った。今日26日の3回戦では福岡第一(福岡)と対戦する。

リベンジを果たした。第4クオーター(Q)残り4分36秒、60-57で飛龍がタイムアウトを取った。原田裕作監督(35)が「夏はここで負けたんだ。ここからだぞ」とハッパを掛けた。全国総体で残り5分まで点差1桁で食らいつくも、力尽きた経験を思い出し、奮い立った。その後は加点し、球際で圧力をかけ失点せずに、勝ち切った。原田監督は「後半が勝負でした。特に守備で頑張り、速攻も出せた。選手たちが本当に素晴らしい」と誇らしげに話した。

エースキラーが本領を発揮した。杉山がU-18日本代表の191センチのSF高島紳司(北陸3年)をマークした。全国総体では16点を奪われたが、この日は4点に抑えた。夏の悔しさから下半身強化に取り組んだ。腰を落として守り、ドライブに対し反応力を高めた。エースを封じ、相手の勢いを落とした杉山は「今まで対戦した中でも1、2を争う手ごわさで、夏にやられたことを忘れずに守った。抑えられて良かった」と胸をなで下ろした。

試合前には体調不良に苦しんだ。朝から吐き気に襲われ、試合前に自ら吐いて臨んだ。昨年のウインター杯では試合中にけがをし、全国総体では大会前に高熱を出し、病み上がりだった。「一番大事な試合なのに。試合中に吐かないように全部出した。この勝利は原田監督へのクリスマスプレゼントになったと思う」と、3度目の災いを振り払った。

今日26日は、原田監督の母校・福岡第一戦だ。杉山は「受け身にならないようにしたい」と話し、原田監督は「勝ちにいく」と決意を口にした。【大野祥一】