全日本バレーボール高校選手権(春高バレー)は、5日から東京・調布市内で開幕する。女子は6年連続11度目の出場となる富士見(静岡)が、同日の1回戦で西原(沖縄)と対戦。WS畑葵とL石間愛子の1年生コンビが、若い力でチームを底上げする。

小学生時代から互いを知る畑と石間は親友として、またある時はライバルとして切磋琢磨(せっさたくま)してきた。富士見でチームメートとなり、畑が「中学の県選抜で愛子にライトの位置を奪われた。今度は負けないように頑張りたい」と話すと、石間は「苦しい時には励まし合える、頼もしい仲間です」と信頼感を口にした。

畑はライトから力強いスパイクを放つサウスポーだ。だが、レギュラーで臨んだ県総体決勝の島田商戦で、放ったスパイクはわずか2本。チームも敗れ、精神面のもろさを指摘された。「それからはミスしたときでも、積極的に声を出すようにしました」。課題だったレシーブも先輩のアドバイスを受けて成長。今までは届かなかったワンタッチボールの処理も、位置取りのコツをつかんだことで上達。甲斐健悟監督(35)も「今一番伸びている子」と評価する。

リベロの石間は、守備の中心だ。しかし、県総体決勝では球際で粘れず、悔しさを感じた。「自分がダメだと相手に狙われ、チームに迷惑をかける。切り替えの大切さを学びました」。その後の練習ではカバーの意識を徹底。「最後は必ず触って終わろう」と、球際への強さを増した結果、春高予選で優秀リベロ賞を獲得するまでに成長した。

憧れの富士見で春高出場に貢献。まだ上級生に引っ張られる立場の2人だが、石間は「全国では得点につながるようなレシーブをしたい」。畑は「1年生らしく元気にプレーしたい」。最後に「3年生と1試合でも多くやりたいです」と声をそろえた。【河合萌彦】