女子の富士見(静岡)は、2-1のフルセットで沼田(広島)を退け、3回戦進出を決めた。第1セットを落としたが、第2セットからは調子を上げ、連続得点に何度も成功。逆転で2セットを連取した。勢いそのままに、今日7日の3回戦で前回優勝の金蘭会(大阪)に挑戦する。

圧巻の逆転劇だった。富士見は1回戦同様、セットの入りでリズムに乗ることができず、相手にリードを許す展開。中盤に3連続ポイントを2度奪うなど、巻き返したが、相手の多彩な攻撃パターンが決まり、第1セットを22-25で落とした。しかし、主将の伊藤麻緒(3年)が「やっていることは合っていました」と話したように、選手たちに焦りはなかった。

「対応はできている。最後までやり通して、第2、3セットで取り返そう」と甲斐健悟監督(35)からハッパを掛けられ、コートへ散った選手たちは、第2セットから躍動。特に、WS藤村若奈(2年)が、レフトからスパイクを立て続けに決めきり、勢いづかせた。「最初は緊張しましたが、(第1セットも)良い形で打てていたので自信を持ってプレーしました。負けたくない、私がやらなきゃという気持ちでした」。

藤村の豪快なスパイクで調子に乗ったチームは、ブロックなどいろいろな形から得点を奪い、連続ポイントを重ねていった。第2セットを25-20で取り返すと、その勢いは止まらず、第3セットは25-17と大差をつけ、試合を決めた。

極度の緊張に襲われるはずの全国の晴れ舞台で、リードされながらの逆転勝利。精神面の成長を感じさせた。3回戦の相手は、前年覇者の金蘭会(大阪)。高い壁にぶち当たる。伊藤は「金蘭会のような強豪とやれるのは、全国の舞台だけなので、縮こまらないようにしたい」と、自分に言い聞かせるように話した。【和田憲明】