世界9位の錦織圭(29=日清食品)の全豪オープンが無念の棄権で幕を閉じた。過去2勝15敗で14連敗中の同1位ノバク・ジョコビッチ(セルビア)に対し負傷のため、第2セット途中にリタイアした。

劣勢に立った第1セット、終盤から右太ももを気にする素振りを見せた。第7ゲームにトレーナーを要請。第1セットを1-6で落とすと、ベンチ前でマッサージを受け、しきりに顔をゆがめた。黒のサポーターのようなものを付けコートに立ち、第1ゲームこそキープしたが、1-4とされたところで棄権を申し入れた。

対戦したジョコビッチは試合後「ケイが一番無念だろう。深刻なケガじゃないことを祈る」と錦織の心中を察し、首を振った。

今大会、錦織は5セット試合を3度戦い、21日の4回戦は自己最長の5時間5分に及ぶなど、準々決勝を前にして4試合で合計13時間47分を戦い抜いていた。

勝てば日本男子の全豪シングルスとしては32年佐藤次郎以来87年ぶりのベスト4進出だったが、快挙を前に体が悲鳴をあげた。