ジャカルタで行われた女子ソフトボールアジアカップで優勝し、21年ワールドカップ(W杯)の出場権を獲得した日本代表「SOFT JAPAN」が9日、羽田空港に帰国した。

1番を任された江口未来子外野手(28=デンソー)は「足で起用されたと思っている」と、小学生の時すでに50メートルを6秒8で走っていたという自慢の快足で、盗塁王を獲得し、宇津木監督の期待に応えた。

江口は打撃でも結果を残した。遊撃手が二塁ベース付近を守るシフトをひかれ、しつこい内角攻めを受けたが、がら空きの三遊間に打球を転がした。「大胆なシフトや配球は初体験だったが、守備位置を見ながら空いたところを狙っていけた」と思い通りの打撃ができたことを明かした。

「1番打者を作る」が2月の合宿でのテーマだった。宇津木監督は足の速い江口を起用し続け、リードオフマンとして育て上げ、合宿後には「バントやスラップ(走りながら打つ)を覚えて楽しさ分かってきた」と評価した。今大会でも期待通りの結果を残した。長い間、不動の1番だった山田を中軸に据え、ようやく理想のオーダーに近づいた。

宇津木監督の求める日本代表の形ができつつある。その象徴である「1番江口」。東京五輪金メダルへ「監督の言うことを信じてやれば、世界一になれる」と語る江口が、最高の1番打者に成長する。【松熊洋介】