世界記録保持者渡辺一平(22=トヨタ自動車)は2分6秒73で銅メダルを獲得した。予選を全体9位、準決勝を同6位で通過。決勝で世界新記録の2分6秒12を出したチュプコフ(ロシア)、準決勝で2分6秒67を出し渡辺の記録に並んだウィルソン(オーストラリア)に先着されたが、17年大会銅メダルに続く表彰台は確保。

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渡辺は自分のレースプラン通りの泳ぎができていたと思う。前半はウィルソンに先行されながら、後半が得意なチュプコフの前を泳ぐ展開となったが、慌てず100メートルを1分1秒04で折り返した。150メートルまでのタイムも良かったが、最後が伸びなかった。世界新記録の時は、最後の50メートルは32秒65。今回もこのタイムを出せていればと思うが、チュプコフのタイムは渡辺に出せないタイムではない。最後の50メートルをどう泳ぐかがこれからの課題になる。

チュプコフの結果には「この先に行くぞ」というメッセージが込められていると感じた。こうなると来年の東京オリンピックでは、2分5秒台の勝負になるかもしれない。渡辺は5秒台を目標にしているはず。そして5秒台に届くだけのレースプランとテクニックを持っている。1年かけて練習すれば十分狙えるタイムだ。(日刊スポーツ評論家・高橋繁浩)