全米決勝の再現だ。世界2位の大坂なおみ(21=日清食品)が、同65位のイガ・シュビオンテク(ポーランド)を7-6、6-4のストレートで振り切りベスト8に進出。

9日(日本時間10日)に予定されている準々決勝で、昨年、4大大会初優勝を飾った全米の決勝で破った元世界女王のセリーナ・ウィリアムズ(米国)と対戦する。両者の対戦は、全米以来となる。

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大好きなハードコートで、大坂が躍進だ。ツアーで注目される18歳の若手に対し、持ち味のパワーに加え、あわてることなくプレーし、接戦ながらもストレート勝ち。「第2セットからミスによる失点を減らすようにした」と、安定したショットで相手のミスを誘った。

世界1位で挑んだ5月の全仏は2回戦で敗退。7月のウィンブルドンは、まさかの初戦敗退で、あまりの動揺で、記者会見を途中で退席した。1月に全豪で優勝し、世界1位になって以来、その期間を「最悪のテニス人生だった」と振り返った。

今大会は、ウィンブルドン以降の初戦で、約1カ月半ぶりの大会だ。その期間で「すっかり気持ちは切り替えた。テニスを楽しめるようになった」と、以前、試合中に泣きだしたような心の揺れも見られない。技術的にも、フォアは、打球に縦回転をかけるショットを多用。安定性に努めている。

準々決勝では、全米以来の対戦となるセリーナが相手だ。全米決勝は、セリーナが暴言やラケット破壊で3度の警告を受けるなど、騒然とした前代未聞の試合となった。因縁の試合に、その後、セリーナは大坂に謝罪の手紙を書いたと言われる。

過去、あこがれのセリーナに全米決勝を含め2戦全勝だ。今回も「自分の技術を彼女に見せることができる、そういう気持ちで試合に臨んでいる。すごく楽しみ」と、完全な挑戦者の気持ちで挑むことができるだけに、大坂に気負いはない。