日本代表はニュージーランド代表に敗れ、12日に続く連勝はならなかった。右足を捻挫していたNBAグリズリーズの渡辺雄太(24)がけがから復帰して即先発、ウィザーズの八村塁(21)と元NBAプレーヤーのニック・ファジーカス(34=川崎)の「ビッグスリー」が初競演。

試合には敗れたが、W杯(31日開幕、中国)へ向け、期待を抱かせた。

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復帰は来週かと思われていた渡辺雄の先発に場内が沸いた。「足の回復具合は75%くらい」という渡辺雄は、決められていた約10分間のプレーで6得点、1リバウンド。ボールを奪われるシーンも多く、本調子ではなかったが「練習に参加できていない分、連係が少し足らなかったかな。時間はないけど、次戦に向けてしっかり準備したい」と前向きに話した。

3人でのプレーを楽しみにしていた八村は、2日前の第1戦のようにボールを持ったらシュートに向かうのではなく、スペースを作る動きを多く取り入れ、渡辺雄やファジーカスにシュートチャンスを与えた。「12日の試合で35点取ったことで、マークも厳しくなると思った。自分以外にもファジーカス、(渡辺)雄太さんのように点を取れる選手がいる。彼らを生かす仕事はできた」と19得点にも、納得の表情で語った。

ラマス監督は完敗の試合内容に「ボールコントロールも相手が上。前半で点差を広げられた。課題はたくさんあるので修正したい」と厳しい表情を見せた。一方でビッグスリーの起用には「いい試合をしたいと先発させた。3人そろったことで、ベストなチームができた」と話した。次戦は22日、世界ランキング5位のアルゼンチンが相手。八村は「2試合で得たものもある。3人そろえばディフェンス面でもっと相手に脅威を与えられると思う」。ようやくスタートした「ビッグスリー」が万全の状態を作って強豪に立ち向かう。【松熊洋介】

○…「ビッグスリー」のもう1人、ファジーカスは約24分の出場で、17得点だった。攻撃ではミドルからのシュートが効果的に決まり、リバウンドでも貢献したが、ディフェンスでは置き去りにされるシーンもあった。「もう少し修正しないと。100点は取られすぎ」と反省。3人の競演については「次はもっと長い時間一緒にプレーしたい」と話した。