男子は帝京長岡が6年連続6回目の全国選手権(ウインター杯)出場を決めた。代表決定戦は新潟商とクロスゲームを演じ、70-68の2点差で勝った。ウインター杯で3年連続4強入りしている帝京長岡は、6月の県高校総体準決勝で62-76で敗れた相手にリベンジした。

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残り時間30秒を切って、帝京長岡ボールになった。スコアは70-68。ショットクロックの24秒をたっぷり使ってSG梶原理玖(2年)が3点シュートを放つ。ボールはリングにはじかれたが、リバウンドをSF宮崎巧(3年)が奪った。ボールを大事そうにキープして勝利の瞬間を待った。試合終了を告げるブザーとともにボールを天井に向け、放り投げた。

「初めての感覚。最高の気分でした」。宮崎の口調は弾んだ。後半からの登場で大事な役目を果たした。第4クオーター(Q)残り1分、66-68から同点ゴールを決め、1分を切ってからは速攻で70点目のゴールを放った。その宮崎が“ウイニングボール”をリバウンドで獲得。柴田勲監督(50)は「信用している選手」と評した。

一瞬でも集中を切らすことのできないクロスゲームだった。第1Qは15-16の1点差。第3Q終了時点で52-51と1点差。最終Qに1度はリードを許したが、逆転した。「1つ1つのプレーが勝敗を分けるような展開だった」と柴田監督は話したが、勝利は帝京長岡がつかんだ。

県高校総体のリベンジも果たした。主将の尾崎汰樹(3年)は「負けた時点から日本一の私生活をしよう、と話し合った」と言う。ゴミを見つけたら見て見ぬふりをせず、ごみ箱に捨てる。こんな小さいことから始めて「ディフェンスからリバウンドを取って走る」帝京長岡スタイルのバスケットに反映させた。チームは全国高校選手権3年連続で4強(3位1回、4位2回)入りする。柴田監督は「出る以上、昨年以上の成績を狙う」と話した。【涌井幹雄】

◆全国高校バスケットボール選手権(ウインターカップ) 12月23日から29日まで東京の「武蔵野の森総合スポーツプラザ」「エスフォルタアリーナ八王子」で行われる。出場は都道府県代表校(47校)、インターハイ決勝進出校(2校)、開催地枠(1校)に加え、今年から全国ブロック大会優勝校(10校)にも出場権が与えられ、男女各60校が参加。組み合わせ抽選は11月13日に行われる。